長井塾長の工務店応援記

魅せる現場づくりが未来を決める

業界では、量より質への転換が重視されていますが、そのような中、「現場力」

がますます注目されているように感じています。現場きれい、好印象マナー、

良品質施工、そして安全etc、全てを向上させることで初めて"魅せる"現場づく

りが可能となります。これを実現するには、まず経営者自身が「本気」になる

ことが絶対条件であることは言うまでもありません。ただし、魅せる現場づく

りの主役は監督そして大工です。経営者の強い想いを理解し本気になった監督、

大工が中心となり行動することが、職人の皆さんを動かします。住まいづくり

の意義を理解し、チームとして心を合わせ行動することが魅せる現場づくりへ

の第一歩です。

 

 

工事・現場力を変える方法

 

魅せる現場づくりに限った話ではありませんが、物事には王道があります。行

うべきは、

①魅力ある現場にする決意を宣言する。本気の覚悟を示すことです。そして、

②BM(ベンチマーキング)から学ぶことです。実行している生の魅せる現場

を目の当たりにし、職人さんの話を聴くことです。ただ"やれ"と言われただけ

で社員・職人さんは動きません。その上で、③スタンダードをつくること。な

により、標準・仕組みをはっきり明確なものとすることが行動につながります。

④実行してくれた職人さんには、その行動を評価することも必要です。さらに、

⑤バージョンを上げ続ける。常に進化し続けること。マンネリは停滞を招きま

す。そして、それをしつこく(躾濃く)続けていくこと。これに尽きるのでは

ないでしょうか。

 

  

現場が展示場・ショールーム

工務店の実力は現場にこそ現れます。そして、資金も人も余裕があるわけでは

ない工務店が勝負できるのは現場です。そして現場は、「きれい」だけでお客

様、そして近隣の方々にまで「魅せる」ことになり得ません。

 

そのためには、今までの範囲を超え、外から見て素晴らしくきれいであること

がわかるようにすることを意識してください。外から見てわからなければ、評

判につながりません。例えば、朝夕の職人による道路清掃などは近隣の方々に

も感動をよびます。また、社員による現場(周辺)清掃や職方などによる安全

パトロールは、これも心をこめて実施することでPRに繋がります。また、近

隣の方々への挨拶の回数を増やし、範囲も広げましょう。

 

これらは、販促・営業行為でもあります。会社の全機能を使った総合営業力の

強化として、現場を展示場・ショールームとするために、営業を含む全社員が

積極的に協力することが求められています。 

 

 

お客様への感謝の心の実現が魅せる現場に

先日現場を視察したときに感動したことがあります。その現場では、大工が現

場入退場時に一礼をしていました。

 

その行動はどこからきているのか、根底には感謝の心があります。お客様に対

して仕事をさせていただいていることに対する感謝の心、そして近隣の方に対

して迷惑をかけても、我慢をしていただき、ご協力いただいていることに対す

る感謝の心が現れているものです。その姿勢に感動され、あらゆる方が現場入

退場時に一礼をすることが当たり前となっている企業もおられます。

 

心からの行動や気持ちを見ている方は必ずおられます。そういった姿勢が、ひ

いては地域の評判にも繋がるのではないでしょうか。

 

 

入魂の施工を行う住宅産業塾特認大工の認定

先日、初めて大工と監督ベンチマーキング大会を開催しました。そこでは、魅

せる現場づくりに邁進された大工さんを、住宅産業塾特認大工として認定させ

ていただきました。

 

特認大工の皆さんは、自分の仕事にプライドそして向上心を持ち、魂を込めた

施工を実践し続けておられ、頭が下がる思いです。

 

熟慮に熟慮を重ねた設計をし、入魂の施工をすれば、その家に気が宿り、耐久

性を高め、住む人に安らぎと癒しを与える。とは、建築社会学者の樫野紀元先

生の言葉です。良品質住宅を提供しお客様に満足向上していただきたいという

強い想いと魅せる現場づくりの実行は、結果としてお客様の感動を呼び、自社

の評判を高め、会社の発展をもたらします。そのような現場が増えることを願

ってやみません。

 

 



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