工務店は現場がすべてであり、現場周辺は見込客の宝庫である。
これからは[自社商品の特長・素晴らしさ][自社商品の品質][自分達の仕事振り]を強くアピールする時代である。それには自慢できる「魅せる現場」づくりが不可欠となる。
魅せる現場とは、プロの現場と思わせる「5S」+「美」+「良品質施工」+「近隣配慮」のある現場である。
魅せる現場づくりの要素のひとつが「現場きれい」である。そのベンチマークとなる基準を宮崎県のビルダー「万代ホーム」がつくり出した。
今では住宅産業塾の会員企業が実施する基準となっている。また全国の心ある工務店の原則にもなっている。
a)“何故やるのか?”
お客様が生命を担保にして求められる家族の幸福の城を、住宅業界に身を置き報酬を頂くプロとして、現場をきれいにすることは当然の義務であり、掃除がすべての原点である。
真心を込めて真の掃除をすることで自己への気づきを起こし(心の掃除)、入魂の施工ができる。
その結果品質も良くなる。
b)“誰がやるのか?”
まず会社が率先して徹底して行うことが大切。
現場に社員が行くときは誰でも必ず掃除道具セットを持参しまず掃除をする。
そして現場で作業する職人や協力業者、資材搬入の協力業者全員が掃除をする。
これを全社的な合目的事項とし、「朝は道路清掃」「10時・12時・15時は作業場所の清掃」「終業時は建物・敷地内・隣近所までの道路清掃」を完全実施する。
その結果“現場はピカピカ”、現場が商品と展示場になる。
現場きれいの実践は、掛け声は簡単でも実行は実に難しい。またどこまで、どのレベルまできれいにすればよいのか、判断となる基準も曖昧である。
そこで万代ホームでは「素足で歩いて汚れない」という具体的な基準を設けた。
そのために掃除機をフル活用し、建物内部に関しては基礎のベースまですべて掃除機で清掃している。
敷地内には釘1本、木屑ひとつ、瓦のカケラひとつない状態にすることを徹底しているのである。
現場きれいの達成には「5Sの徹底」が必須である。
5Sは①整理、②整頓、③清掃、④清潔、⑤躾・習慣 である。
①整理はいるものといらないものを分け、いらないものを除くこと、
②整頓はいるものを使いやすいように同じ種類・同じ項目ごとに整列して置いておく
こと、
③清掃は誰が見てもきれいに1日5回の清掃すること、
④清潔は整理・整頓・清掃されたきれいな状態を保つこと、
⑤躾・習慣は、やり切れるまで徹底することである。
「5Sの徹底による現場きれい」に「良品質施工」と「行き届いた好印象マナー」が加わり「魅せる現場」が実現する。
魅せる現場は気持ちが良く、
①お客様が喜ばれ安心される、
②近隣は将来の有望見込客になる、
③営業は展示場としていつでも案内できる、
④職人にとって安全で、なおかつ品質も生産性も上がる、
⑤会社はCS実現ができ、即回収ができ、紹介も得ることができる。
素晴らしい効果をもたらせる。たかが掃除、されど掃除である。
現場が財産の地場工務店はやることが多々あるが、先ずここから徹底実践されるべきである。
千葉県のヤワタホームや、滋賀県の谷口工務店の現場は素晴しい。
プロが見ても気持ちが良い。
住まい手が真実を理解できるようになれば、現場きれいは評価され、圧倒的信頼のブランドになる。
だから現場きれいをもっと強くアピールしていく必要がある。
汚いいい加減な会社や、儲け主義の会社に負けてはいけない。
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