新年明けましておめでとうございます。年始を迎え、意識新たに目標を設定し
チャレンジをするという気持ちで新年を迎えられたことと思います。外に目を
向ければトランプ氏が大統領就任し、世界情勢はさらに激動を迎えます。国内
も課題が山積ですが、特に住宅業界は変革期真っ只中で、少子高齢化や世帯減
少を背景とし家余りの時代を迎え、生活スタイルの変化や価値観の多様化に伴
い新築市場は減少に向かうことは自明です。そのような時は思考も内向きにな
りがちです。しかし、こういうときこそ攻めの姿勢が重要です。自社の置かれ
ている状況を冷静に見つめ、守るべきものはさらに磨きをかけ、変えていくべ
きものは積極的に変革を果たす。それを同時に実現することが求められます。
その点を意識し、住宅産業塾では2017年のテーマを「工務店・ビルダーの原点
回帰と、新たな業態変革の同時実現」といたしました。
住まいづくりの原点は「家族の幸福の城」の実現、そしてCS(顧客満足)を実
現することです。それはもちろんですが、満足を超えたCD(顧客感動)に高め
られるように、目の前のお客様に対しCS(カスタマーサービス)を徹底し、工
務店・ビルダーとして徹底的に磨き続けることです。さらに、それをCT(顧客
信頼)にまで高める。お客様が「私だけではなく、他者にも同じようにやってく
れる。」とまで信頼していただけるようにする。ここまでCS(カスタマーサー
ビス)を高めることが出来れば、自ずと紹介も増え、企業としての持続的発展に
もつなげることができるでしょう。
自社の知恵だけで全てを成し遂げることは難しい時代です。原点回帰と業態変
革を実践に移すためにも、まず素直に学び、優れたものを貪欲に取り入れる姿
勢が大事です。この点、住宅産業塾では長きにわたり"ベンチマーキング"とい
う手法を提唱し、実践してまいりました。会員企業の皆様には、それぞれに特
に優れた部分があります。私たちはベンチマーキングの手法を用い、各会員同
士でその優れた取組みを学びあい、貪欲に取り入れることで進化をもたらし続
けています。ベンチマーキングは、これからの時代を勝ち残る最善の実践法=
ベストプラクティスといえるでしょう。
もちろん、他社の良い点を学び取り入れるだけではありません。自社の良い部
分を徹底的に伸ばすことも同時に取り組んでください。これは、コンピタンシ
ー(成果を上げる行動特性)を研究し、社員に波及することで実践できます。最
近では、SNSでも"いいね"をすることが通例となっていますが、社内に置き
換え、自社の"いいね"運動を行うのも良いでしょう。悪いところを指摘しあう
のではなく、各社員の良い行動特性を発表しあい、それを社員各自の学びとし、
行動に反映していく、いわば社内におけるベンチマーキングとも言える様な取
組みを積極的に行い成果につなげて欲しいものです。
改善するためのお手本は内外問わず様々なところにあるはずです。それを積極
的に会社に取り入れ全体に波及させること、これが成長発展の一番の近道です。
そのためにも、まずは素直な気持ちで貪欲に真似てみることです。まずは真似
てみて実践をしていけば、次第に自分たちの考えも加えられるようになり、人
材も成長していきます。それが会社の活力となり、より会社を成長させる原動
力になるでしょう。企業は人なりの時代です。変化に対応するには、人材力の強
化が急務です。原点回帰も新業態開発もこの人材で決まります。ぜひ皆さんも
積極的に取り組んでください。
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