理念と執念の経営に徹する新産住拓 原木から製品まで徹底の 経営は業界の度肝を抜く

1、執念の経営

長期優良住宅先導モデル62棟、普及モデル36棟、森林認証住宅486棟の累計実績を誇る九州熊本の新産住拓グループは本当に素晴らしい。

日本の住宅業界の良心ともいうべき企業で、創業者の小山幸治会長の思いと執念が入った経営が実践されている。

 

一連の挑戦の華が開いたことは、すべて小山会長の「思い・想い」「配慮」の気持ちが基本にあり、お客様に尽くし、お客様に喜んでいただき、地域に尽くし、地域に喜んでいただくという心の実践と執念の経営の結果によるものである。

 

筆者が主宰するCS実践研究会の住宅産業塾の第一期生で、以降の入塾生の模範となっている。お付き合いは古く、コンサルタントとして何度も訪問させていただいたが、いつも執念というべき経営に感心したものである。

 

現在の基地ともいえる本社拠点は、町の真ん中にあった店を移転したもので、自動車の時代に店が街中にある必要が無く、郊外に基地を開き、来店型対応に備えるべきとの提案を受けていただいたものである。

その拠点が活きていることは嬉しい。

2、CS経営に徹する

今の乱れた日本の中で、徳の道を貫かれる小山会長の、お客様を大切にされる心は日本一ではないかと思うぐらいで、徹底してCS(顧客満足)実現をしようとされている。

 

新産住拓を語るときのエピソードがある。

台風が来たときの対応での話で、台風が来ると予想されたときから現場の事前対応に配慮され、当日は待機して何かあればすぐ対応できるようにしていたことと、台風一過、即3人一組で顧客のところを巡回訪問し被害状況の確認と迅速な回復努力をされたものである。

そのときに新聞広告で何かあればすぐ社長宛に連絡してほしい旨の告知をされたことには驚いた。

新聞広告を出すなんてできるものではなく、お客さんのため、地域の方のために配慮されている姿勢は本当にすごいの一言である。

そして自社のお客様だけでなく、屋根が飛んで困っておられる方があれば、わけ隔てなく対応されたものである。
鹿児島の業者さんと提携されて、ブルーシートや屋根職人の手配・対応にも怠りがなく見事な対応であった。

3、こだわりの事業展開

その小山会長が今まで徹してやってこられたこと、こだわりの事業展開に特徴がある。


①人吉球磨地方の国産材資源を活用し、伐採、加工、建築という形で事業を進め、中でも材の特徴を活かしきる天然乾燥にこだわりを持たれていたことは、持続可能なサスティナブル社会の予見と、人にやさしい住宅の確立に対する先見の明があったことを証明している。
②平成11年5月、シックハウス症候群の元凶であるホルムアルデヒドの濃度を全国で初めて公開測定をされた。これは住宅産業に携わる人にとって、非常に勇気のある行為で、健康住宅の本道を示されたものである。その後、心ある全国のビルダーが続き、現在の自然素材・健康住宅のブームに拍車をかけている。
③平成17年7月には、緑の循環認証会議(SGEC)から九州では始めて認証され、認証林産物取扱事業体として活動を始められた。今では森林認証住宅の代表企業である。
④そして平成18年の1月には、地球の温暖化防止と国産材消費拡大活動を目的とした林野庁の「木づかい運動」において、表彰第一号の栄誉に浴された。また熊本の杉・天然乾燥研究所、熊本屋根技術研究所等、住宅に関する各種研究所を自社で設立し研究を進めている。

⑤現在、国産材100%のウッドマイルの実践、省エネルギー・循環型社会対応住宅と健康住宅に取り組んでいる。また3人の息子さんが実に立派に3つの事業を展開している。


これらのことは一途な肥後モッコスの典型ともいえる小山会長だからこそできたことだといえる。  
理念と執念の華は開くものである。執念の経営を見習いたい。

 

 



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