想いを実践する経営 ベンチマーキング実践の徹底で「らしさ 企業」に

1.成功事例に素直に学べ

 筆者が主催する住宅産業塾の創設以来、初めてのベンチマーキング(以下BM)実践研究大会は、満員で30名ほどお断りするなか、180名の大勢の方の参加をいただいた。

 

 BMとは素直な心で最善に学び、それを越えていくことで、別名「最善の実践法」ともいう。

 

 大会では住宅産業塾で学び、「らしさ」を構築し、発展を遂げた会員工務店・ビルダー8社が、住宅業界のチャレンジャーとして、住宅ビジネスの改革に全力で取り組んできた成果や貴重な成功体験の発表を行った。

 

 最初の発表は創塾以来のメンバーである新産住拓株式会社の小山会長で、100%国産材、天然乾燥、森林認証の家で健康住宅をいち早く確立。

ぶれない「CS経営」を貫き、その徹底実践でゆるぎない顧客信頼を確立されたBM実践事例の話。

 

 次いでの発表は株式会社新和建設の吉村社長で、「CSビジネスシステム」+「ISO09001・ISO14001システム」+「ITシステム」を業界に先駆けて確立。併せて社員・職人教育やコンピタシー研究による能力向上を積極的に推進されたBM実践事例の話。

 

 3番手の登場は株式会社新昭和の濱名専務で、理念経営に基づき経営革新と販売管理を徹底推進し、競争力の高い工務店・ビルダーの「経営マネジメント」を確立されたすごいBM実践事例の話。

 

 4番手の発表は第一建設株式会社の大原社長で、チーム営業による計画的な集客と育成の受注体制に業態を変える「営業システムの大変革」を実現。

そのシステムを通じて企業が躍進する基盤を確立されたBM実践事例の話。

 

 5番手はオガワホーム株式会社の小川社長で、「完成した図面と完全な仕様書による引継ぎ」と「事前発注システム」を完全実施して請求書の要らない仕組みを確立し、経営合理化を実現。同時に高いCD(顧客感動)率を実現させたBM実践事例の話。

 

 6番手の登場は万代ホーム株式会社の前田社長で、「1日5回清掃(現場および現場周辺)」+「現場きれい」の先駆け企業に。

自主検査と社長自ら確認する社内検査で品質を確保し、高いCDを実現したBM実践事例の話。

 

 7番手はフジ住宅株式会社の鍛冶主管で、「基礎の天端プラスマイナス0、柱・梁の水平・垂直プラスマイナス0実現」と独自の施工検査で高品質躯体を実現。

省力的な仕事のやり方を開発し、効率的な現場管理を確立されたBM実践事例の話。

 

 最後の発表は株式会社未来住建の沓名社長で、定期借地権住宅という新しいビジネスモデルとSGAシステムで地域オンリー1企業の座を獲得されたBM実践事例の話であった。 

2.ベンチマーキング実践継続を

 聞く人々すべてがびっくりし感動する本当にすごい実践内容の発表であった。

共通することは住宅産業塾が提唱し追い求める「CSの実現と徹底したベンチマーキングの実践」である。

CS実現なくしてESなし、ESなくしてCSなしの善の循環思想の徹底実践活動内容であった。

 

 そして各発表者のすごいところは、先達企業から本当に貪欲に素直に学び実行したことであり、それを愚直なまでに実践継続したことである。

ノウハウは真剣な実践の中で習得・発見できるもので、「最高の財産はノウハウでもなんでもなく、実践とその継続である」ことを徹底していることである。

指導する立場ながら、やりきっていて堂々としている姿に感動し、聞き惚れたものである。

 

 「らしさ」企業8社の貴重なBM実践事例を聞くことで、多くの大会参会者から、「明日からわが社の成長・発展の夢を確実に描くことが出来た」との感想をいただいた。

 

 今の厳しい環境の中でも、「CS実現と徹底したベンチマーキングの実践」をやり続けることが企業の発展の道になることが理解でき、勇気づけられた1日であった。ベンチマーキングの実践をして現状克服し成長してもらえればと願っている。

 

 



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