“現場を展示場に”と言っている会社は数多くあります。しかし、営業がその
意味を理解し、活用している会社がどれだけあるでしょうか? どのような現
場にすればお客様が喜んでいただけるのか、職人さんのマナーレベルは十分に
高いのか、そして現場を通じてお客さまが心から会社を信頼していただけるの
かなど、営業が現場に積極的に関与することで、現場のレベルが向上していく
のです。
昨年の「魅せる現場コンテスト」の総合最優秀賞を受賞されたある会社は、現
場きれいに取り組み、営業が現場周辺のチラシ配りとともに現場の清掃もして
いたそうです。「現場周辺をスーツを着た人が清掃していた」と、近所の方か
らお施主様に伝わり、お施主様に大変喜んでいただけたという事例もあったそ
うです。
現場を「展示場にする」という考え方であれば、きれいにするのは当たり前で
す。汚い展示場にお客さんが来られるでしょうか? 展示場だという意識を持
てば、その対応の仕方が変わるはずです。更に言うと、現場をきれいにするだ
けでは、展示場としては不足しています。魅力的な場にまでレベルを上げてい
くことで、“魅せる現場”・“現場が展示場”につながってきます。「そこま
でするの?」と言われて、感動を与えるぐらいまでおこなうとお客様にも伝わ
ってくるのです。
現場をきれいに魅力的にしても、すぐには評判や紹介に結びつかないかもしれ
ません。お客様や近隣の方は、現場の様子や取り組みをしっかり見ています。
一つ一つの現場の対応をしっかりとおこない続けていくことで、現場から信頼
を獲得しそれがブランド化していきます。これには時間がかかります。すぐに
受注へつながらないからと言って諦めてはいけません。やり続けることで、必
ず評価が高まります。これには1年~3年はかかると考えておいてください。
お客様は、期待以上の家がつくられれば感動します。しかし、それだけでは紹
介にはつながりません。「信頼」が必要なのです。そのためには、お客様とし
っかりとコミュニケーションを取り、不具合の芽を早期に摘み取ります。工事
中の立会確認などは、徹底して行ってください。そして引き渡し後1~3か月
の間に社長が訪問し、お客様の声を直接聞き取ってください。このような姿が
信頼へとつながるのです。
魅せる現場を実現するためには、誰もが同じ基準を理解し判断できるようにな
る必要があります。これには、現場きれいや魅せる演出事項を標準化していく
ことがとても大事になります。良い悪いは個人では判断がまちまちになります。
写真を付けた魅せる現場スタンダードを作り、現場によってレベルが違うなど
ということがないようにしていかなければなりません。この魅せる現場スタン
ダードができて、その通りの現場をつくることができて、初めて現場が展示場
になるのです。
来年は消費税が上がります。そのため新築については今年の10月から影響が
出てくることが予測されております。特に、コスト重視のお客様の動きが減少
する可能性があります。しかし、そのような状況にも影響されないお客様もい
ます。中高級層のお客様は良い家、納得できる家づくりを求める傾向にあり、
このような方々は現場や職人さんのマナー、会社の対応などの良し悪しに反応
する人たちです。今後、このようなお客様にアプローチするためにも、魅せる
現場の取り組みは必要なのです。
魅せる現場は作業からは生まれません。魅せる現場スタンダードで社内・業者
との意思統一を図るために『標準化と見える化』をおこない、魅せる現場を実
現するという強い思いを持つことが必要です。それには、仕事というレベルを
超えた、強い志を持った“志事”でなければ実現できないのです。皆さんも、
これから厳しい時代を、強い志を持った“志事”で勝ち残っていきましょう。
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