想いを実現する経営設計力がブランドになったコアー建築工房

1、 想いを実現する経営

 いやし健康増進住宅研究会のベンチマーキング研究として大阪のコアー建築工房を視察した。

設計力の素晴らしい会社で噂にたがわぬ内容であった。

本社・ショールーム、モデルハウス、お客様が入居されている建物(外観)、いやしろの住まいの新商品「エコア」(体験宿泊モデル)や建築現場を視察した。

参加者全員が本物の設計力に感嘆したものである。

 

 設計へのこだわりや、今のブランド状況についても詳しく説明があり大変参考になった。
特に住まいづくりの想いはすさまじく、光・風などを最大限把握し、住む人への配慮を行っていること、それが設計に現され、現実の住まいになり、優しい家ができあがっていることがよくわかった。  

 その大きなきっかけは、5年前、路線の対立があったため№2と別れ、困難なときがあったが、今の設計力のある会社に切り換えることができたからだとのこと。

「自分がつくりたい家をつくる」という実にシンプルな目的の会社に変身することで、今日があるとのことであった。

 

 以前、名古屋の会社でも同じことがあり、6人のスタッフが一挙に去った後、大変困り、工夫した結果新し仕組みを作ることができ、それが今の発展の原動力になったという。

やはり企業は、経営者の想いを明確にし、自分がつくりたい家を明らかにして、それを徹底実践できるような会社にしなければならないこと、それが将来の発展の道を築くことができるということを強く認識してほしい。

2、つくる家にこだわる

 設計方法もつくる家もこだわっている。お客様の思いも大切にはするが、プロとしてその土地の環境を徹底理解(風土表)し、住まう人が快適になるように最大の配慮(ゾーニング)をした設計をしている。

また光や風の道を詳細に確認し、窓の高さや位置まできちんと計算し環境の良い家を提案している。

そのためお客様はその提案に満足して、提案のままの家を建てられることが多い。

 

 お客様も、自然を大切にした心豊かな生活を求める人というように明確になってきている。今ではコアーのつくる家が好きかどうかで決まるようになってきている。

 

 つくる家とつくり方にこだわり、お客様の財産になり、自社の資産にもなる住まいづくりを徹底している。すごいことである。

3、設計の標準化

 コアー建築工房の家を見ていて実にうまく標準化していると感心させられた。

設計力で売る会社であるから、きっと標準化などしないで完全フリー設計と思っていたら、巧みに各部を標準化していた。


 1階と2階の階高も、勾配や軒の出にもこだわり,使う材料にもこだわり、部品化にもこだわり、実にみごとに標準化している。しかし美しく表現されているから、標準化からくるつまらなさがない。

逆に標準化することでデザインを良くしている。センスと技量のなせる技であり、さすが設計力で伸びている企業である。

4、住まいの講座

 計5回の住まいの講座を実施している。今ではいつも満杯になるくらい盛況である。そしてこの参加者からの成約も増えている。内容といい、吉瀬社長の話術といい、参加者は引き込まれ信者になり、コアー建築工房に依頼する。実に極めつけの仕組みである。

他社からの見学も多く、コアー建築工房の必殺コースになっている。

5、規格化商品「エコア」

 新商品「エコア」は、企画・規格の考え方が素晴しく、プラン作りが巧みに行えるようになっている。

グリットシステムを組み、後は追加パーツを組み合わせればよく、デザインもシンプル&エレガントに出来上がっている。

今まで手の届かなかった層の開拓としてつくった商品だが、自由設計との兼ね合いもあり、両方に効果が出ているようだ。

 

 設計力がブランドになり、他社と競合しない企業になる良い見本である。各社も想いと実行を徹底して発展してもらいたい。

 

 


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