先代山本社長の急逝、バブル崩壊による急成長ストップと銀行の貸し渋り、幾多の苦難を乗り越え、20世紀型ビルダー経営から21世紀型住宅ビジネスに、変革を是とする企業体質に見事に変身、若手中間管理職の成長など、工務店・ビルダーが克服すべき大きな課題を解決された静岡県新富士にある第一建設株式会社。
大原社長が引継ぎ、三観経営(人間観、使命観、事業観)に基づく同社のスローガン「住宅道を磨き、人間道を磨き、ブランド力向上」実現に取り組んでおられる。
第一建設の経営姿勢は本当に素晴しい。まさに心の経営を実践されている。三観経営理念に基づき、CS(顧客満足)とES(働く人の満足)の両立を目指しておられる。そのため社員教育にとても熱心な会社である。
マナーも実に良い。社員全員が元気で挨拶されており訪問しても気持ちが良い。
また社長の仕事は何かが明確で、環境づくりと人材育成にとても熱心に取り組まれている。
社員はもちろん、親や家族をも大切にされており、またお世話になった方々にも感謝の念を忘れない(ちょっと良くなると感謝の念を忘れる傲慢な人が多いが、大原社長はまったく逆で本当に心から感謝の念の実行をしている)。
それを社員にも求めているし、社員採用はこれを理解し実行できることが条件になっている。
月刊雑誌「致知」と「安岡正篤一日一語」(致知出版社)を活用されて心の道を説かれている。
仕事は見事に権限委譲されており、執行責任者がそれに応えている。組織でのビジネスをきちんと型にされ、システム化されている。
営業のやり方も実にユニークである。
商品販売から脱却した方法で、展示場を持たない営業で、現場とイベントをうまく絡ませ、プロセス型の来店型営業システムを完成させている。
募集アポイント係と先生的なクロージング係りのチームで対応している。
そのため個性的な特別優秀な営業マンはいない。
チームで対応していくため組織になじまない人は不要で、会社も一人の英雄よりも組織的行動を大切にしている。
イベントは感謝祭やバスツアーや完成見学会などを行う。
そしてローンや土地や設計などの独特のセミナーを行いクロージングに結び付けている。
それらを3ヶ月のイベントスケジュールを組むことで促進している。
現場には、常設の「まちかどステーション」(ちびっ子1級建築士の絵が飾られている)が作られており、ちびっ子たちを前面に押し出しお客様とのコラボレーションをすすめている。
そのため現場は1日5回清掃の徹底を含めて魅せる現場づくりに注力し、きれいに整備している。
①朝礼で全社員のチームワークと行動すべきベクトルを確認
第一建設は独自に編み出した幾つかの社内ルールがある。
そのひとつが第一建設式朝礼。
原則、社長以下全員参加で毎朝行われ、一人ひとりが順番に自分の成果と当日の
行動予定の確認をしている。
またすべての幹部・リーダーによる朝のミーティングで会社が進むべき方向性を全員で
確認し、1日の仕事が始まる。
②幹部は朝6時から仕事を離れた読書会を通じて人間形成を図る
中堅幹部の一部は朝6時からの読書会に自主的に参加し、自らの人間形成を高める
取組みを行っている。
こうした仕事を離れた取組みが幹部社員の人間力アップに結びついている。
③若いリーダーを鍛える
また若い力が結集した組織力が魅力のひとつである。
支店が3箇所あるが、その拠点ごとに2つのチームを置き、互いに競わせることで
そのチームリーダーを鍛え、チーム力を高める効果を発揮している。
ESとCSを大切にし、お客様とのコミュニケーションのあり方にも工夫され
ている。
素晴しい。こんな会社に伸びてほしい。
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