リフォームのビジネスシステムを構築し、積極的に取り組もう

工務店ならではのリフォームビジネスとはどのようなものか

来年消費税がまた増税になります。その結果、住宅ビジネスは大きな影響を受

けることは間違いありません。特に新築に関しては大きく落ち込むことが予想

されます。大手住宅メーカーでは、来年4月以降、新築の部門からリフォーム

の部門への人材の異動が行われる、という話もあります。工務店もこのような

状況をしっかりと理解し、手を打っていかなければならいないのです。


リフォームビジネスはこれから成長が期待されるビジネスです。しかし、その

恩恵を工務店が受けられるかどうか、それは工務店の取組方次第です。現在積

極的にビジネスを展開している大型家電量販店に対して、集客力では工務店は

刃が立ちません。同じようなビジネスをしていても勝てるはずがないのです。

それでは工務店はどのようなリフォームビジネスをしていけば良いのか。その

点をしっかりと考えていかねばなりません。


工務店のリフォーム事業を考えていくと、どこに優位性があるのか。それは工

事が伴うリフォームということになります。家電量販店は工事が伴うリフォー

ムをやりたがりません。そこに大きなチャンスがあるのです。


そして営繕ではビジネスにならないことも理解しておかなければなりません。

新築を中心とした工務店では、営繕をいくらやっても利益が出ることはないの

です。ホームオーナー様からいただく営繕はきちんとしていかなければなりま

せんが、積極的に営繕をしていっても事業として成り立たせることは難しいと

考えなければなりません。


では、工務店のリフォームビジネスとはどのようなものか。答えはリノベーシ

ョンとリフレッシュということです。リフレッシュとは耐震・省エネなどは諦

めたものの見た目は新築同様という、だいたい4~5百万円くらいの価格帯の

リフォームです。そしてリノベーションは耐震・省エネ対策を含めたもので、

1千万円以上のリフォームとなります。


工務店のリフォームビジネスの中でも、これから力を入れていかなければなら

ないリノベーションですが、ここには重要なポイントがあります。それは”暮

らしの改善”を行うということです。住宅というハードだけを考えているよう

ではいけません。そこに住む方の暮らしの”場”までも考慮した空間提案をし

ていく必要があるのです。そしてそこには資産価値向上、生活価値向上までも

含まれていなければならないのです。


リフォームにもビジネスシステムの構築は必須

リフォームビジネスにも新築ビジネス同様、良品質設計(魅せる家)、良品質

施工(魅せる現場)、良品質マナー(魅せる対応)は絶対必要です。リフォー

ムは新築以上にお客様からの紹介が期待できる分野ですので、積極的に取り組

まなければなりません。


そして、リノベーションに取り組むとなると、新築ビジネス同様、事業の理念

・ミッション・ビジョン、中長期経営計画と事業計画、商品力、ビジネスシス

テム、そしてそれらの徹底実践が必要になります。


また、そのリフォーム事業を応援してくれるシンパを作っていかなければなり

ません。ホームオーナー様をきちんとフォローし、シンパに育成していくこと

をしていかなければ、事業を長く続け、そして成長を持続させることはできな

いのです。


また見える化・わかる化に力を入れる必要もあります。リフォームという分野

は新築以上に不透明でわかりにくいものです。自社について、リフォーム事業

について、どのような工事を行うのか、それらを長々と説明するのではなく、

わかりやすく伝えることためには、見える化・わかる化をしていく必要があり

ます。


リノベーションを構築していくためには、新築同様、設計申込制度や、敷地環

境調査、ご要望確認、そしてプラン・デザインの検討会議を行い、お客様に満

足していただかなければなりません。リノベーションですので、初期には耐震

診断を含む簡易診断、そして設計申込の後には精密診断、そして耐震補強計画

も行わなければなりません。


このようなしっかりとしたビジネスシステムやお客様への対応が、ブランド力

や資金のある大手住宅会社や、新たに参入してくるプレーヤーに対して、工務

店が優位に立てる重要な要素になるのです。


来年の消費税増税まで、残された時間はあまりありません。ぜひ早期にしっか

りとしたリフォームビジネスシステムを構築し、勝ち残る工務店になってくだ

さい。





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