お客様は工務店が建てた住宅を見て、「これだ!」と思っていただければその
会社だと決め、契約してくださいます。しかしここで大切なことは、お客様は
そこで見た住宅以上の住宅は作らないということです。
例えばその住宅が2千万円としますと、それを見学したお客様は2千万円以下
にはなっても、3千万円以上の住宅を建てるお客様にはならないのです。
そう考えていくとモデルハウスは、客層を上げたいのであれば、目指す客層に
満足していただけるものにしていかなければなりません。現実の”身の丈”に
合ったモデルハウスを作ってしまうと、結果的にそれより安いものを望むお客
様にしか評価されないことになってしまうのです。
中高級層のお客様を相手にしていきたいのであれば、設計力を高めることが大
切です。しかし、高額な良い材料を使えば中高級住宅になるかというと決して
そうではありません。納まり・ディティールを含めどうすれば美しい設計にな
るのか、そこをしっかりと考えなければなりません。
来年3月で新築はピークを終え、ますます厳しくなります。そうなると、土地
無し客を含め、ローコストは大激戦区となります。そこで勝負していくのは大
変です。また中高級層をお客様とするとなると、設計力が求められますから、
力の無い会社は入ってこれません。設計力をしっかりと持つことができれば中
高級層をターゲットとすることができるのです。
リフォームはこれからブームになります。しかし、あくまでもブームですから、
2~3年後にはブームから落ちこぼれる企業が沢山出てきます。なぜなら、リ
フォームビジネスは、本来、単にブームに乗ったからといって構築出来るほど
簡単なものではないからです。ですから、ブームが終わってから残る企業が本
物のリフォーム企業と言えるでしょう。
これから工務店が行っていかなければならないリフォームとは、リノベーショ
ンとリフレッシュです。リフレッシュとは耐震・省エネなどは諦めたものの見
た目は新築同様という、だいたい4百万円くらいの価格帯のリフォームで、日
本ではこの価格帯の市場が大きいと言えます。そしてリノベーションは耐震・
省エネ・雨漏り・傾斜・シロアリ対策を含めたもので、もっと高額になります。
工務店はこのリノベーションとリフレッシュこそ行うべきです。
リフォームというと、設備関係のリフォームを手掛けてきた会社も多いかと思
います。しかし今後、家電量販店などには勝てないでしょう。品揃えの一つと
しては設備関係のリフォームも必要ですが、あくまでも事業としては、施工が
得意な工務店の特徴を出せるリノベーション、リフレッシュに絞って行かなけ
ればなりません。
そのためのビジネスシステムの構築が必要です。中途半端では淘汰されてしま
います。自社のリフォームとはどのようなものなのか、誰を対象としているの
かを明確にし、御用聞き的な修繕・営繕の延長線上のビジネスではなく、しっ
かりとしたリフォームビジネスを構築していきましょう。
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