21世紀は設計力の時代――設計者は知識・知恵・感性を磨け!

「設計力が命運を決める」

家づくりで設計が一番のポイントであることを意識しているでしょうか。"家

族の幸福の城"を求めて訪れたお客様に、暮らしやすさの工夫もせず、いいけ

げんな設計で対応したなら、それはお客様にとって不幸です。お客様は35年も

の間、ローンを支払うのです。そのことを忘れずにいてください。良い設計を

提案するのは住宅会社の当然の義務なのです。


材料も吟味せずに設計し、お客様の健康を害するようなことにでもなれば、お

客様の不幸だけではなく、今度は会社の信用にも関り、会社の不幸にもなって

きます。


設計が悪いと、工事関係者も仕事がやりづらくなり、さらには生産性も低下し

て、会社のコストアップにもつながっていくのです。


"設計力が命運を決める"、――お客様にも会社にも、その他いろいろな関係者、

さらに街並みと、いいも悪いも影響を与えていくのが設計なのです。


美しい住宅は街並みに影響を与える

では、良い設計というのはどんなことを指すのでしょう。安全、快適、健康、

効率、利便性と性能・品質が優れているのは当然のこと、さらに美しいという

面でも優れていなけれななりません。


美観・美麗・華美・優美といった言葉がありますが、住宅も美しく、きれいで

なければいけません。


1・品があること。

2・見れば見るほど味があること。

3・見ていて落ち着きを感じさせること。

4・飽きがこないこと。

5・現在も将来も見るに耐えられる住宅であること。


こうした条件が満たされているのが"美しい住宅"なのです。"美しい住宅"は街

並みにも影響をあたえます。美しい街並みだなと思うところは、一軒一軒の家

の設計もしっかりしているし、デザインも美しいのです。反対に街並みが崩れ

ているところは、必ずといっていいほどダメな設計の家が並んでいるのです。


街並みが美しければ、人の心も豊かになりますが、街並みが崩れていると人の

心をさびしくさせるのです。


そして、美しい住宅は、"魅せる設計"でもあり、お客様は感動してくれます。

そして街並みにも貢献できるのです。"流行"だからと物真似でデザインを取り

入れても、2~3年で飽きられて、会社の評判を落とすことになるのです。


設計者は自分が設計した家を訪問せよ

ところで設計者のみなさん、完成したお客様の家を訪問していますでしょうか?

ホームオーナー様がいまどんな生活をしているのか調査をしていますでしょう

か?


自分が設計した家を、お客様がお住まいになった1年後には訪ねてください。お

客様がどのように暮らしておられるのか、住まい心地はどうなのかについて聞

いてください。そのような事をしない設計者は設計者として失格であり、会社

も同じく失格の烙印を押されてしまいます。


設計者とは、お客様が設計した通りに暮らしているかどうか、気になるもので

す。気にならないなら、それは感性の欠如であり、設計という仕事を辞めてし

まった方が良いかもしれません。


設計者は、"売れる設計"とはどんなものかを知る前に、設計者自身が自分の果

たすべき任務をしっかりと認識し、行動していくことが問われているのです。


「設計力が命運を決める」、この言葉を忘れずに設計力を高めるよう努力して

ください。


 



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