2016年10月以降、勝ち残るために必要なこととは(2)

ラグビーワールドカップ日本チームに学ぶ、計画を立て実行する力

ラグビーワールドカップで、日本チームは残念ながら予選敗退となりましたが、

これまでとても歯が立たなかった南アフリカに勝つなど、大活躍をしてくれた

ことは、記憶に新しいところです。


その日本チームで一躍有名になったのが、ヘッドコーチのエディー・ジョーン

ズ氏です。この人は信念の人です。必ず日本チームをベスト8にするという高

い目的・目標を掲げ、その目的・目標を達成するために研究・分析と周到な計

画・準備をし、そして一切の妥協なしにそれを実行していきました。その結果、

これまで7回出場して1勝しかしていなかったチームが、予選敗退とはいえ、

3勝です。番狂わせが起こりにくいと言われているラグビーでは驚きとしか言

いようがありません。


鬼のコーチのエディー・ジョーンズ氏には、やり切る力がありました。そして、

その思いに応え、一致団結し、燃える選手達がいました。これは、どのような

ビジネスにも通じることです。経営も同じです。目的・目標を明確にし、計画

を立て、そしてどのようなことがあっても達成する、やりきる、という決意で、

実行していかなければなりません。

 

 

やり切る執行官がいれば、会社は成長できる

エディー・ジョーンズ氏はやり切ることができる執行官でした。会社にもその

ような、執行官がいれば、自ずと成長することができます。これまで多くの会

社の指導をしてきましたが、成長していく会社には、必ずやり切る執行官がい

ました。しかし、どんなに素晴らしい戦略で、どんなに素晴らしい計画を立て

ても、執行官が甘ければ、会社は動きません。成長することができないのです。


会社の社風は、社長の考えを受けそれを執行していくNo.2によって形成さ

れます。一般に、経営者というものは、常に前を向いているものです。その社

長の意向を受け、しっかりとやり切れる人材がNo.2であれば、その会社は

いきいきと成長する会社になります。しかし一方で、やり切ることのできない

人材では、成長できない上に、中途半端で澱んだ会社になってしまうのです。


No.2だと自認している方は、このことを胸に刻み、事業に打ち込んで下さい。 

 


本気で現場を展示場にしていくためには営業の積極的な関与が必須

現場を展示場に。良く聞く言葉ですが、本気で取り組んでいる会社がどれくら

いあるのでしょうか。殆どの会社では、現場にはお客様を連れて行かない方が

良いという状況です。しかし、今こそ、本気で実現していただきたい。


実現していくためには、営業がしっかりと関与していかなければなりません。

それはなぜか? 例えば、通常の展示場をつくる場合の費用を考えてみましょ

う。家を建てる費用、それを宣伝する費用と多くの経費がかかるはずです。し

かし、現場であれば、お客様にいただくお金で家を建てているのです。きちん

と現場を展示場にできれば、そこを営業が活かせば良いのです。もちろん現場

は工事部門がつくるものです。しかし、営業が協力し、良い現場にしていけば

よいのです。


営業が現場に関与することは、お客様の満足度を上げることにもなります。営

業も関与しながら想いのこもった現場をつくり、お客様としっかりとコミュニ

ケーションを取ることができれば、お客様の満足度は向上します。


そして、お客様に家を引き渡す時には、お客様に感動していただかなければな

りません。しかし残念ながら、感動だけでは紹介にはつながらないのです。家

づくりのプロセス全体で、「この会社は信頼できる」と思っていただかなけれ

ば、紹介にはつながらないのです。このプロセスで営業の現場への関与が、そ

して想いが、重要になるのです。「この会社は大丈夫」「トラブルはおこさな

い」、「任せて安心」、そして「建てる家も最高」。ここまでいって初めて紹

介が出てくるのです。


 

ベンチマーキング(BM)の実践で成長を

ベンチマーキング(BM)とは、進んだ企業の取り組みなどを素直に学び、そ

れを超えるという「最善の実践法」です。工務店の中にも、学ぶべき対象は数

多くあります。今回紹介したラグビー日本代表のような例もあるように、異業

種まで視野を広げると、無限にBMの対象があります。しかしながら、BMだ

けをしていれば良いわけではありません。それを会社に定着させることが重要

です。そのためには、TQM(トータル・クオリティ・マネジメント)してい

かなければなりません。BMで学び、それをTQMで定着させる。それを繰り

返すことで、会社は成長していくのです。


皆さんの会社もぜひBMの実践をしてください。そして、そこで学んだことを

やり切り、自社のものとし、そして会社を成長させてください。





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