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住宅道を求めて~まとめ~

日本住宅新聞社様に「住宅道を求めて」の記事を2016年6月25日より連載させていただいて早いもので今回70回になります。この4月号で完了しますが、住まいづくりの思いを書かせていただいて感謝しています。以前「住宅ビジネス成功の鍵」を連載させていただき2004年に書籍発行もさせていただきましたが、今回は住宅ビジネスの基本と時流も加味したものでまとめさせていただきました。70回連載内容を是非ご活用していただければ幸いです。

 

筆者が住宅業界の仕事をし、初めて担当したのが長期不良債権の回収担当でした。一流の大会社での住宅づくりですから問題は軽微でないかと思っていたところ、その時に知ったのが、言語に絶する住宅業界のひどさでした。営業・設計・工事・職人・責任者の無責任さに呆れかえるものでした。テレビ・新聞で大広告をするのを信用されたお客様が、絶望のどん底に突き落とされたような不誠実対応でした。訪問した時にまともに家に入れてもらえるような状況ではないのですが、無理にお願いしてお話を聞かせていただきました。和室に通されて、座布団もなし、お茶もなし、ものすごい剣幕で2時間くらいこてんぱーです。ただもっと辛かったのがお客様の感極まってからの悔し涙です。聞くのがとても辛かったのですが、同時に会社と仲間に対する怒りがおさまりませんでした。許せない!やることもやらず無責任すぎるという怒りです。お客様をこんなに苦しめるなんて言語道断です。その時「お前の会社は詐欺師か!」とすべてのお客様から言われた時、本当に情けなく悔しかったものです。このような思いをお客様には絶対させてはいけないと決意したものです。今でも欠陥住宅が8割だというニュースがありましたが、実に悲しいものです。

 

【長期滞留債権の回収から学んだこと】

1、住宅は生命を担保にして、借金までして求められる家族の幸福の城。

2、住宅は仕組み・システム産業。業務フロー・業務内容を明確にして誠実に実践する、クレームはすべて因果関係にあるので、クレームが発生しないような仕事の仕組みを構築する。

これが今の住宅道の誕生につながっているのです。

 

 

住宅道は「住宅に携わる人の道」です。柔道・剣道・茶道・華道と同じでそれに携わる人の道です。住宅ビジネスに関係する人々は是非その道(心)を実践してもらいたいものです。

骨子は

世界で一つの土地に、世界で一つの家族が求める、

世界で一つの家族の幸福の城づくりが(CS)住宅道 ということです。

 

できれば設計段階で①敷地環境調査、②詳細のご要望確認、③最適なプラン・デザイン提案。

 

工事段階で①完成した図面と完全な仕様書(完成図書)作成、②事前発注、③魅せる現場づくり、④残手直し工事0の引き渡し。

 

全体行程で報連相等の心ある対応によるCS→CD→CT の実現。

 

それによるアンバサダー(熱烈なファン)創造ができ、「ビフォアーインサイド+アフターインサイドセールスシステム」による顧客創造ができることで、顧客と地域に信頼・歓迎されるようになることです。

 

お客様に対して、施工近隣の方に対して、会社に対して、仲間に対して、他部門に対して、協力業者の方に対して「住宅道実践者として、プロとしての実務力+プラス発想・行動力+人間力(感謝・思いやり・おもてなし)の向上に努め、対応力を向上させ、ぜひCS→CD→CT実現を追求し達成していってほしいものです。

「住宅道」実践はこれからが本番であり、いよいよだというところにあります。今までは、これから勝ち残る本物工務店の準備期間であり、これから大発展する大チャンスの時が来ていると断言できます。すでに素晴らしい準備ができている順調企業も多くありますが、これからが住宅道実践企業、CS実現企業にとってもっと楽しくなる時で、ぜひこのチャンスを活かしてほしいものです。

 

顧客に喜ばれる存在価値のある企業の位置をもっと磨いて、顧客に、地域に役立ってください。

 

昔、住宅会社勤務時代に事務所・展示場なし、社員なし、縁なしの全く単身赴任。


そこで社員採用、事務所建設、展示場開設、職人確保、住宅ビジネスシステムづくり、研修、販促、土地仕入れ、官公庁取引、テレビ・ラジオ番組にも出る。全国第一の現場品質実現、ライバルからも社員採用など、住宅ビジネスの1からのすべてを実践の中で学びました。

 

そこで学んだことは、究極は人、信頼の縁。

住宅道の原点「住宅は生命を担保にして求める家族の幸福の城」「住宅ビジネスは感動実現ビジネス」「住宅ビジネスはシステム・仕組みが肝」を徹底的に縁ある人々に語り賛同を得て大成功をしました。なかでも助けていただいたありがたい人々との縁があったこと。これに尽きます。

求めるものと、その実行する内容が正であれば必ず道は開けるでした。

 

今後の競争環境で勝ち残るには強さの特長である「らしさ」構築が特に重要です。住宅道実践での「らしさ」構築のために、経営資源の整備を行い、徹底して構築・実践していってほしいものです。

これからの新築マーケットは成熟減少化していきます。住宅道実践による顧客創造を徹底し、勝ち残っていってほしいと願っています。

 

皆様のご拝読ありがとうございました。

感謝

(2022年4月25・5月5日 日本住宅新聞掲載)