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監督業務の標準化・システム化を

1監督業務の標準化・システム化が必須

 

良品質住宅を実現するためには監督業務の標準化・システム化が必須である。

現場監督の業務は煩雑でやるべきことが多い。大工・職人からは資材が足りないと文句を言われ、お客様からはあれこれ要求される。“そのうえ一日5回の清掃の現場美化だなんてやってられない”ということになりかねない。だから現場の良品質管理を実践するためには、工事管理者が監督業務に専念できる環境・システムをつくり、監督業務の環境整備をする必要がある。

それが監督業務の標準化・システム化である。

それを図るにはまず

①「何でも屋」となっている現場監督の管理業務を明確にする必要がある。

そして

②監督がやらなくても実行可能な業務はできるだけ外すことである。

現場監督の管理業務は次のとおりである。

①品質管理 

②工程管理 

③原価管理 

④安全衛生管理 

⑤資材管理 

⑥労務管理 

⑦産廃管理 

⑧諸手続き管理 

⑨顧客管理 

 

これらを標準化とIT活用などで合理化、省力化できるものはできるだけ促進する。

重要な原価管理業務なども事前発注と検査・支払の連動をシステム化することにより不必要になる。

工程管理も事前発注によるチーム責任を明確にすることで軽減する。

資材管理も納入業者を巻き込んだ廃材処理まで含めたデリバリーシステムを構築すると軽くなる。

重要な品質管理も品質基準を明確にして大工・職人の自主検査体制を築くことにより検査業務が軽減される。

こうして詰めていくと現場監督の重要な業務は「品質管理」「安全衛生管理」「顧客管理・顧客対応」に集約される。

CS・CD・CT実現の重要な現場管理業務の標準化・システム化に大至急取り組んでもらいたい。

またこれが品質を上げ、生産性を上げ、時間短縮につながり、「働き方改革」に大いに役立っていく。

 

2魅せる現場の実現を

 

魅せる現場を実現させるための要素は、

①良品質の実現 

②魅せる(きれい・安全)現場の実現 

③現場で働く人の好印象・マナーの実現 

この3点である。

 

①良品質の実現は、良品質施工を行うことであり、完成図面・完全仕様+施工詳細ディテール+お客様最終確認+工程別・工種別品質管理+検査立会い+報連相打などで、お客様のニーズ実現を完全実施することである。

②魅せる(きれい・安全)現場の実現は、1日5回清掃を中心にした5S運動(整理・整頓・清掃・清潔・躾)を行い「現場きれい」を実現。

商品として魅せられる現場、近隣に迷惑をかけない配慮を完全実施することである。

 

③現場で働く人々の好印象マナーの実現は、心と思いを込めた対応を現場関係者すべての人々が実践し、営業・設計・施工・プロの技術技能者集団が一体となったチームワークで取り組み、着工式・引渡し式・定期点検を完全実施することである。

 

この3点の要素を確実に実践することにより魅せる現場は実現する。

 


3魅せる施工、感動を呼ぶ施工実現を

 

お客様を感動に導く、魅せる施工を行うには「工事3大条件の遵守」「施工管理のシステム化」「顧客対応の徹底」を実践することである。

 

「工事3大条件の遵守」は

①現場きれい 

②工期厳守 

③残手直し工事0の引渡しであり、

 

「施工管理のシステム化」は

①事前発注の完全実施 

②検査と支払の連動 

③IT活用 であり、

 

「顧客対応の徹底」は

①報連相打の徹底 

②近隣配慮 

③アフターの徹底である。

 

この実践が魅せる施工を実現する条件と心得て社員、大工・職人、協力業者に徹底させることである。

 

感動を呼ぶ施工を実現するために“感動を呼ぶ施工プロセス”を徹底実践することである。

感動を呼ぶ施工プロセスとは「感動を呼ぶ施工への下地」づくり(完成図書による事前発注)を行い、「安心を呼ぶ現場のあり方」―(現場きれいを徹底し、現場のマナー・躾がしっかり行き届くと、近隣の方々からも注目される。施主たるお客様は鼻高々、大満足である)―を守る。

そして「感動を呼ぶ検査」(品質管理システムに基づいて品質検査を行い、その検査結果を記録し、お客様へ報告する)ことである。この3つのプロセスをしっかり守ることである。

 

このように感動を呼ぶ施工プロセスをつくり、標準化しシステム化し徹底実践することでお客様は確実に喜ばれる。そしてその内容が満足するものであれば確実に感動に結びつく。

 

努力する価値はある。

 

(2019年5月 25日 日本住宅新聞掲載)