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クレームは人為、絶対になくすこと

1. 住宅はCS・CD・CT実現産業だ!

 

住宅は「生命を担保にして求められる家族の幸福の城」である。しかも長期の借り入れ返済をして建てられる高価なものである。プロの住宅会社が心を込めて、しっかりした仕事をするのが当たり前で、そこにクレームが発生してはならない。初めからクレームが出ても仕方がないという姿勢でやるのと、絶対に出してはいけないという必死の姿勢でやるのでは天地の開きが出てくるものである。クレームやトラブルを起こさないことがCSの最低条件である。

 

お客様への役立ちを真剣に考え、プロとしての知識・情報・技術を磨いて、引き渡すお客様すべてに感動(CD・CT)体験CXを与えることができるよう努力すべきである。地場工務店の財産は「現場とお客様」である。

 

2. クレームは人為で発生する

 

クレームはほとんどが人為によって発生する。クレームは工事の資材の管理が悪い(乱雑、養生なし)、現場が汚い、図面通りやっていない、施工が悪い、約束が違う、連絡ミスによる工事ミス、職人の態度が悪い、工期遅延、お客様への連絡が悪い、駐車場確保と車両管理が悪い、近隣に迷惑をかけているなどの人為で起こっている。個人の未熟、不注意、不誠実で起きることと、会社の考え方や仕事の仕組みややり方が悪くて起きている。住宅会社としての本気さと努力が足りない場合や、また商売とだけしかとらえていない場合にはクレームがいつも発生する。本気で今一度、住宅会社の原点に戻って、住宅企業としてのミッション(理念・哲学・方針)づくりをし、住宅ビジネスのやり方・仕組みを再設計・再構築する必要がある。

 

3. クレームによる5つの損害防止を

 

クレームによる5つの損害がある。①精神的負担、②時間的拘束、③肉体的苦痛、④金銭的損害、⑤信用・信頼の失墜の損害である。この解決のために大変なエネルギーと時間と費用がかかってしまう。しかもメリットはない。だからこそクレームが発生しないように最善を尽くすべきである。

 

問題が発生したら平常時は理由の如何を問わず、何が何でも即対応し処理をしてほしい。引渡後の水道・ガス・電気の生活ライフラインは即日対応・即日処理(1:1の原則)を、その他に関してはできるだけ早く処理をすることである。

 

必ず苦情・クレーム台帳を作り、いつ発生し、いつ処理が完了したかを記入し、確実に処理されるよう管理することが大切である。適当なメモではなく、きちんと苦情・クレーム台帳に記録する。個別には「苦情・クレーム処理報告書」を作成・実施することである。

 

また苦情・クレームは必ず分析をすることが重要である。クレームは問題があるから発生する。その根幹の理由を分析して、なぜ発生したかを明らかにしなければ問題の垂れ流しになり、同じ問題の繰り返しになる。すべての事実をデータ化し分析する。なぜ発生したかの本質をつかめれば解決策が見える。そして根本原因をつぶしていき、同じ問題が二度と起こらないように、初期の仕事のやりかたや仕組みを変えるのである。病気の予防法と同じで、トラブルやクレームを未然に防ぐ予防法は、問題解決法の初期の仕事へのフィ―ドバックである。「クレームは商品開発やビジネス革新の宝庫である」といわれるのはこの問題解決のフィードバックをやるからである。

 

トラブルやクレームが起こってから対応するのではなく、最高の防止策は、クレームが起きる前の予防策であることを肝に銘じてほしい。本気でやればほとんどクレームは発生しない。


 

4顧客満足度調査の完全実施を

 

工務店・ビルダーは常にお客様の満足度に注目し、不満要因を速やかに改善していかなければならない。そのためにクレーム分析と同じように顧客満足度調査による内容分析をする必要がある。何が良かったのか、何が悪かったのかを具体的に知り、営業・設計・工事の仕事の改善にいかしていくことである。

 

引渡し後の正規顧客満足度調査と並んで、契約時・工事中にも簡単なCS調査をやると真実の評価が見え、業務改善に効果的である。

 

(2020年8月 25日 日本住宅新聞掲載)