⑦「現場」からお客様を創造する!

 

顧客との信頼を構築するために必要な取り組みの一つが、「魅せる現場」です。

 

一般的に、「現場」はごちゃごちゃしていて、汚いのが当たり前と思われています。また、職人さんは話しかけづらい、というイメージも持たれています。最近、ハウスメーカー・ビルダーの現場で「現場日本一!」という看板を掲げているのを目にすることもありますが、本当にきれい、と感動する現場はほとんどありません。「近づきがたい」。そんなイメージの「現場」で、整理整頓されていてきれい、品質もちゃんと守ってくれている。職人さんはマナー良くきちんとしている。となれば、お客様にとって喜びも、会社に対する信頼も、大きく高まることでしょう。

 

お客様は不安と期待を両面に持ちながら、契約から引渡し、工事期間に期待値を高めておられます。現場が「きれい」で品質管理、対応も含めて期待以上であれば、それによりお客様の信頼を獲得できるだけでなく、新たな顧客創造効果を期待できるようにもなります。まさに、その後のお付き合い、紹介活動や会社の応援に繋がっていくかが、現場対応によって決まると言っても過言ではありません。

 

また、ここ数年、以前よりも「現場」に力を入れる企業も多くなってきた印象です。競争が激化する中で、「現場」の価値が見直され少しずつ環境が良くなっているのも感じます。

 

現場からお客様の信頼を得るために必要なこと

現場力向上のテーマは、「きれい」「品質」「現場きれい」「マナー」、そして「安全」「管理体制」、「監督業務」など多岐にわたります。今回は、その中でもお客様にとってメリットが大きく伝わりやすい「きれい」について考えてみたいと思います。

 

これは、会社で「現場きれい」方針を掲げ、やらせればよい、というものではありません。監督に任せているだけ、お題目だけでうまく進まない。

また、職人さんの中でも現場がきれいな人、汚い人とバラつきがあり、全体が一向に良くならない。という声などを耳にします。では、どのように行っていけば成果に繋がるのでしょうか?

 

これには、会社だけでなく、職人さんを含むパートナーを巻き込み一丸になって行える体制にすることがポイントとなります。 

 

 そのためにまず、社員から自ら取り組み、姿勢を示すことが重要です。現場に定期的に全社員清掃のルール化をする、現場にいったら掃除をする習慣を身に着けるなど自ら取り組み、態度で職人さんに本気であることを示します。

 

また、現場きれいの大切さが分かる大工さんの中でも現場きれいに積極的な方に協力していただき進めることです。そのような方であっても、世の中ではどのように「現場きれい」が実践されているか、ということは知らないものです。先行事例を視察し意識を共有する機会があると、大きな刺激を受け、やる気になっていただける、といった効果を期待できます。

 

業者会なども「現場きれい」を推進する重要な場面です。会社の理念として「現場」に取り組むこと、そして現場きれいをこのようにしてほしい、ということなどを伝え続けることも大切です。また、その場で現場パトロールにて良い現場、悪い現場を業者会で確認し合う、また良い行動については表彰するなどにより、刺激を与えることがあっても良いでしょう。

 

また、「きれい」レベルを維持し徹底していくためには、会社が求めている「現場」とはどのようなものか、という点をはっきりと、明確にさせた方が良いでしょう。住宅産業塾では、「魅せる現場」に取り組んでいただく際、「現場スタンダード」を作成していただきます。自社の現場ではこうします!という点が写真とコメントで明確になり、それを見た誰もがどうすればよいか、どこまでやるかが明確にわかると、取り組みやすくなります。各部位別に細かく決めておいた方がそれだけ明確化が進み、現場きれいレベルの維持向上に役立ちます。これは、常々このコラムでも強調している「業務の標準化」にも連なる話ですね。

 

 

現場力を高めたい、という希望は皆さんお持ちだと思います。これからスタートしたい、という場合は、目に見え、評価される「きれい」からまず行ってみることをお勧めします。「この会社ちょっと変わった」、「現場を大事にしている会社だ」、また近隣から評価されるなどの反響が出てくることで、それがまた刺激となるでしょう。

「魅せる現場」、まずは現場きれいから取り組んでみませんか?

 

 

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