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住まう人に真の健康住宅を

①不幸な不健康状態

住宅で気になることがあります。

性能・デザインは絶対に必要なことですが、住まう人の観点が欠けているように思えてなりません。提供する住宅商品の実現すべき絶対条件があるはずです。

国民一人あたりの生涯医療費が平均2600万円かかっています。

国も国民も疲弊していくばかりです。またアレルギーや花粉症は国民病だといわれるくらいになっています。

1970年以降に生まれた方は化学物質過敏症になる確率も高く、その子供も遺伝で化学物質過敏症になる可能性が高いといわれています。

子供のアレルギーによる不健康な状態は、食住複合汚染によるもので、食生活の悪さと、シックハウスなどによるもので、生まれながらにしてハンデイを背負い本当にかわいそうです。

また高齢者の不健康寿命約10年も同じで看過できません。

未病状態も多く、今、総力で解決策を講じる必要があります。

 

②新シックハウス症候群

住宅は本来、住まい手が生命を担保に大金を借金してまで求める家族の幸福の城です。

幸福の城を求めたのに、病気になる家では話になりません。シックハウスは欠陥住宅です。

施工が悪いだけでなくて、住まう人を病気にさせる住宅も欠陥住宅です。

このことを強く認識する必要があります。住宅会社も一棟一棟実際の測定をしていません。

自然素材を使えば良いという考えは、一応評価できますが、それでもだめな場合があり、絶対に測定をし、VOCを基準値以下にする必要があります。

F☆☆☆☆(シックハウス対応商品)の資材を使えば、それで良いというのは冗談に近いものです。換気扇によって悪い空気は外に放出されるので大丈夫ということになっていますが、本当に大丈夫でしょうか?

高断熱・高気密・計画換気で温熱環境を良くすれば健康実現という動きもありますが、これでも不十分です。現実にTVOCが大幅に目標基準値を超えているものが多くあります。

完成した実際の住宅で測定することが絶対条件です。

シックハウスで知らぬうちに体調変化があり、健康を害したり、疲れやすく、イライラになり集中力もなくなったり、うまくいかないことが多いので気をつけねばなりません。

過去のホルムアルデヒドだけではなく、人間に悪環境をもたらし病気・未病にさせるのは新シックハウス症候群と呼ぶべきです。これも増えています。

過去の問題といわれていますが、シックハウス問題は何も解決されていません。

 

これから問題になるのが電磁波障害です。

化学物質過敏症の人には電磁波障害でもシックハウスと同じような症状が出ます。

しかし電磁波がすべて悪いのではありません。昔からある自然の電磁波は役立つものが多いのです。可視光線も、遠赤外線も、医療に使う電磁波も必要なものです。

問題なのは人間が作ったマイクロ波と超低周波なのです。マイクロ波は電子レンジとか、携帯電話に使われています。

超低周波は家電製品に使われています。

どちらも現代生活から考えて必要不可欠なものです。

家の中にはあまりにも多くの電気(電線7倍、電気量4倍)が使われています。

しかしほとんどの住宅には何も対応策がとられていません。

電磁波は必要不可欠ですので、生活の仕方や防御の方法を確立していくことが急務です。


 

③健康になる住宅実現が急務

住宅は今までの箱の時代から、「人間が住まう暮らしの実現の家」に変わらざるを得ません。

単に構造が良いとか、デザインが良いとか、設備・性能が良いとかの段階から、もうワンステップ、バージョンを上げたものになる必要があります。

自動車みたいに利便性と合理性を追及しても、人間にとってはくつろげない空間になります。

住む人間にとって優しい住宅でなければなりません。

また環境にも対応した優しい住宅であるべきです。それには建築だけの範疇では不可能で、医学、生物学、材料学、心理学、色彩学などの統合した総合力が必要です。

住宅業界も新しい時代への変換期に入っているといえます。

 

病気になる家はもってのほかです。

 

(2017年6月25日 日本住宅新聞掲載)