事業戦略提案で自社のことを見える化

工務店・ビルダーの皆様に、自社のらしさを明確にして事業の方向性や戦略に

ついてもっと考えましょうということで、事業戦略提案をお勧めすることがあ

ります。その地域の市場がどのようなものなのか、その会社のポテンシャルは

どのくらいのものなのかなど企業の現状を診断し、未来に必要な会社の強みを

どう活かすか、中長期の数値的な計画をどうするかなどの事業戦略を提案して

まいりました。


これは多くの会社を見て戦略を立ててきた専門家として、アドバイスをおこな

います。しかしその内容が、経営者の意向と異なるケースも多く見られます。

ある程度の規模になってくると、もっと棟数を増やして事業拡大をしたいと考

えるところは結構あります。そのために競争が激しくなりもっと低価格の商品

がほしいと訴える営業も出てきます。しかし未来を見据えたときに、それでい

いでしょうか? 価格を下げた商品や建物を見せると、それにあわせた顧客が

来ることになります。低価格のものを見て、高価格の家づくりを考える方はあ

まりおりません。よって、一度価格を落としてしまうと、元に戻すのがとても

苦しくなります。


事業戦略提案をおこなった企業で、低価格商品をつくって棟数を増やしたいと

考えていたところには、もっと自社の強みを活かして高級層を狙うこと、そし

てコストダウンをおこなって粗利率を改善することを提案したところ、多くの

議論をおこないその方向を決断し、今では1棟あたりの単価が上がったにもか

かわらず、棟数も減らずに順調になった会社もありました。


また、いい家づくりをしていても、自社の内部だけでは気づかないことも多々

あります。この場合は、外部から指摘されて気づくということもあります。ま

ずは自社の強み・特長をしっかりと認識すること、そして自社のことを見える

化することがとても重要です。ここがブレない軸となっていれば、世の中の変

化や市場の変化に対して、その部分を時流にあわせていけば良いという事にな

ります。


多くの会社がここに迷いがあるようです。自社の将来をどうしたらいいか、自

社の強みをどう構築したらいいのか、はっきりしていないところは早急に戦略

を再構築した方が良いと思っております。その場合、事業の方向として、”正

しい将来像が描けているか”、”業界の動向や地域の市場の将来性は明確か”、

”会社のポテンシャルは活かされているか”などをきちんと見極め、今の商品

・ビジネスシステムで勝ち残れるのか、というように考えてみてください。





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