長井塾長の工務店応援記

これからの家づくりは大きく変わる!

2月の月例会は「設計」がテーマでした。設計の良し悪しで家のデザインや住

み心地まで変わってしまい、住宅会社のイメージまで影響するため、設計とは

とても重要な仕事だと言えます。では、これからどんなことを考えていかねば

ならないのでしょうか? 

IoTで家づくりが変わる

今年は「IoT元年」などとも呼ばれていますが、この「IoT」という言葉

をご存知でしょうか? 「Internet of Things」といって、インターネットと

モノがつながってくることを表す言葉です。既にいろいろなところで実用化さ

れており、例えばWEBカメラで留守中の家の様子を見ることができるという技

術も、このIoTと言えます。

 

現在の技術は、第4次産業革命と言われています。第1次は18世紀の蒸気機関、

第2次は20世紀初頭の電気エネルギー、第3次が20世紀後半のコンピュータ−

による自動化(メカトロ)、そして2015年ころから出てきたIoT産業革命と

なっております。

 

この技術を創り出すにあたり、各種センサーの技術が発達してきたことが寄与

しています。圧力、加速度、摩擦、光、音、その他様々なセンサーから得られ

る情報は日々の生活の中でも使われています。このセンサー技術とインターネ

ットがつながることで、離れた場所でもデータが得られ日々活用されていくこ

とになってきます。

 

人の動きや生体データーを管理して設備機器や生活家電を自動制御する、人の

健康状態を常時観察して急変をリアルタイムに関係者へ通知できるようになり

ますので、一人暮らしの高齢者を見守るサービスにつながってきます。また、

エネルギー使用量は既に見える化されていますが、これを居住者の生活パター

ンや指向性を読み取り最少で最善の制御をするようになってきます。これはエ

ネルギーに限らず、設備や建具などの使用回数・頻度をデータ化しておくこと

で、点検や修理・交換などを予測することも可能になってきます。

 

このようなデータを活用することで生活が変わってきますが、使い方を間違え

るととても怖い世界でもあります。情報が筒抜けになっていることから、この

技術の急速な発達とともに、扱い方についてのルールなどがこれから議論され

てくるのではないでしょうか? いずれにしろ無視できない技術であり、特に

設計の方はこのような情報にアンテナを張っておいてください。

ITは目的を明確して選ぶ

ITの発展は、設計業務においても大変役立ってきます。CADソフトも3次

元は当たり前になってきて、最近ではVR技術を使ったプレゼンに連動し、お

客様にバーチャルで体験・イメージしていただきながら商談するところも出て

きました。このCADソフトはメーカーにより機能や活用の仕方が異なってい

ます。よって、自社がどのように使いたいかを明確にしてから選ばないと、せ

っかく導入したのにもかかわらず使えないという事態になりかねません。

 

設計が関わるCADソフトには、設計に強いもの、営業につよいものがありま

す。設計に強いというのは、作図機能がしっかりしているものであり、営業に

強いというのは、プレゼン機能や営業でも使えるようなソフトとして活用され

ているようです。

 

大手住宅メーカーは、プレゼン用ソフトと図面作成ソフトを別々にしていると

ころが多いようで、見積もりもCADを使っています。また、新築とリフォー

ムでは別のモノをつかっているというケースが多いようです。

 

ソフトというのはあくまでもツールです。どの行程を効率化するのか? どこ

に差別化を求めるのかといったことをよく考えて、それにあったソフトを活用

してください。今使っているものが適切なのか? もし大きく変える必要があ

るのであれば、ダイナミックに変えることもひとつのやり方です。

強い工務店へ! 長井塾長の2月の提言

地域密着工務店・ビルダーは、その地域にあった家づくり、街づくりをするこ

とが基本です。これからは新築が減っていきますので、経営としては筋肉質、

スリムにして強い会社にしていかなければなりませんが、その中でも設計が一

番大事になってきます。

 

設計は暮らしの実現をするのが役割です。では自分で設計した家に訪問してい

るでしょうか? そして暮らしの実現を確認しているでしょうか? また、設

計における逃客分析もしているでしょうか? これらのことを自分で把握して

設計力を上げていかねばなりません。

 

そして、これから増々重要視されるのが「健康」ではないでしょうか? IT

技術の発展や家庭での活用などが増えることで、電磁波への関心も増えていき

ます。電磁波過敏症も増えてきているといったことが言われております。家で

病気になることは避けなければならず、特に子供の健康は設計時にも配慮され

るべきです。何も知らない、興味がないことが恐ろしいことであり、暮らしの

実現のためにも、設計がよく知り自社のレベルを上げるようにしましょう!

家づくりには哲学が必要です。プラン、デザインや性能を共存させることをも

っと考えること、また流通のことも頭に入れておきましょう。あまり個性的な

家は好まれる時代ではありません。

 

そして、IOTなどの技術の情報もよく勉強しておいて下さい。AIなどがこ

れからもっと発達してくると、これまでの仕事はロボットに置き換わってきま

す。しかし、考えるところは人間の役割です。設計は特に考える役割が大きい

仕事です。是非、良い家づくりに邁進してください。

 

 



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