● スタッフリレーコラム

  設計力アップ

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選ばれる会社になるには、設計力アップは必須事項です。設計は、最終的に建

物として目に見えることですので、その価値が判断され、それが企業力として

認識されてしまいます。今後マーケットが縮小していく中で、この設計力アッ

プに取り組む必要があります。

 

設計力アップに取り組んでいく方法はいろいろありますが、商品づくりを通し

ておこなうという方法を昨年から取り組んでいます。個別コンサルティングで

は、その会社だけの指導のため他社のことが分かりません。そこで、数社集ま

って一緒にコンサルティングを受けていく事で、自分だけのペースではなく、

他社に遅れないような緊張感を持って進めていくという方法です。

 

ところで、工務店における商品とは何でしょうか? 住宅メーカーで出してい

る「○○」という名前で仕様やデザインコンセプトが決まっているもの、とい

うだけで捉えていないでしょうか? 商品とは自社が提供しているものですが、

お客様にとって価値がないと商品とは認めてもらえません。お客様にとっての

価値となりますので、この視点で考えていきます。

 

今行っているのは、「ナチュラルモダンタイプ」の商品づくりです。このよう

なタイプの家づくりを望むのはどのような人物・家族像なのか、それを想定し

ていきます。人物だけはなく、趣味・嗜好まで徹底的に想定することで、それ

がターゲットになってきます。このターゲットが曖昧だと、いざ商品にしてい

くときにブレが生じてくるので、ここはしつこくおこないます。最初はこの設

定の仕方がうまく出来ないケースがありますが、何度も考えていくことで、そ

の形が少しずつ見えてきます。

 

商品づくりやモデルハウスづくりにおいて、ターゲットなどを設定していると

思いますが、そこに「何となく」や「適当に決めた感じ」が多くみられます。

まずはこのターゲットを徹底的に絞り込んでいく事が求められます。そこには

暮らし方を想定することも必要です。また、キーワードとなる言葉も設定して

おかねばなりません。

 

ここまで出来た後は、プランや立面を考えていきます。数社集まっていると、

おなじ「ナチュラルモダン」でもターゲットとする年齢層やデザインなどが全

く異なってきます。皆でおこなうということは、最終的にはそれぞれのデザイ

ンを共有することにつながるため、3社集まっていれば自社の分を考えるとと

もに、あと2社分のデザインも手に入ることになります。実は結構お得なやり

方ではないでしょうか?

 

ある会社では、このような研修を通して商品の形をつくり、それを模型にして

展示していたところ、それに興味を持ったお客様が来られ話が進んでいるそう

です。これまでとは少し上のクラスのお客様ということで、設計も自信が持て

たという話がありました。現在、関東と中部・関西圏でおこなっています。

今後は西日本でも集まれるよう計画しています。興味のある方は事務局までお

問い合わせください。

 

                      (文責:事務局 佐野郁夫)