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● 今月の塾長提言

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   ~経営者に求められるもの~

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〇人材育成の重要性

 

人手不足、人材や職人の引き抜き合戦、働き方改革など、住宅業界を取り巻く

情勢も大きく変わってきました。特に人の問題は切実です。年功序列・終身雇

用は過去のものとなり、最近はキャリアップや転職にかかわる情報が豊富にあ

ります。多くの社員は、今の会社で働き続けることがはたしてベストな選択な

のか、常に考えながら仕事をしているのが現実です。人手不足の中、転職市場

も活発となっているようで、スカウティングの動きもあり、実際に引き抜きの

事例もよく耳にします。帰属意識が薄れ、働き方の多様化が進む時代であるか

らこそ、人材確保・育成の重要性が高まっています。

 

経営者・リーダーは常に前を向いていますが、社員も同じかと言えばと必ずし

もそうとは限りません。社員との意識の相違を埋めること、それは経営者・リ

ーダーの役割です。すなわち、リーダーと社員とのベクトルを合わせることで

す。リーダーは、社員に仕事の意味を理解させ、スキル向上の機会、やりがい

を持たせることはもちろん、会社の将来とビジョンを共有する努力を怠っては

いけません。

 

 

○魅せる現場の実現も経営者・リーダー次第

 

例えば住宅産業塾で実践を続けている魅せる現場づくりもリーダーとベクトル

を合わせることが重要です。一方的な掛け声だけでは絶対にうまくいきません。

「現場はきれいであるべき。きれいを実践せよ」という会社方針を伝えるだけ

で、あとは社員任せというパターンがよくあります。会社が本気であることを

伝えきることであり、そのためにも経営者・リーダー自らが社員・業者の前で

熱く語り続けること、率先垂範することが必要です。そのうえで、会社として

どのようなバックアップをしていくのかを徹底して考えてください。

 

人は命令だけでは動きません。動いたとしても一過性のことで続きません。継

続させるには、その意味を自らの腹に落としこみ、当事者意識をもってもらう

ようにすることです。そして、最終的には自分のためでもあることを理解して

もらうこと。それと成功体験です。

現場きれいの場合は、比較的お客様の反響につながりやすいので、その声を聴

かせることで社員のモチベーションアップにつなげられます。お客様と良好な

関係を築き、選ばれる会社になることで受注が増える、それにより自分の仕事

が評価され、それが大きくなれば収入も増えるといった構図になります。頭で

はわかっていると思いますが、それが腑に落ちるまで伝えていくことが必要に

なるでしょう。

 

 

〇経営者は夢を語れ!

 

これからの時代は、経営者が一人で突っ走るだけでは難しく、社員や周りをど

のように巻き込んでいくのか、その考え方と実践が求められるのではないでし

ょうか。それには経営者が夢を語り続けることです。大きなビジョンを持って

進んでいくと自然に人がついてきます。「こういう家づくりをしたい」「地域

にこんな貢献をしていきたい」「誇れる会社をつくりたい」など、社員に語っ

ていますか? 

このような時代だからこそ、「心」を動かすこと。想いを共有することが大切

です。

 

                 (文責:住宅産業塾事務局 佐野郁夫)