● 12月の塾長提言
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 〜「働き方改革」の本質〜
「労働生産性の国際比較2016年版(公益財団法人日本生産性本部)」によると、
日本の一人当たり労働生産性は、OECD加盟35か国中22位と評価されていま
す。特に、先進国の中では下位にとどまっているそうです。日本の大学の中心
である東京大学は世界の大学ランキング評価ではいろいろな指標がありますが、
軒並み低落傾向にあるそうです。日本社会全体の停滞が、こういった数字にも
表れています。

労働生産性の向上は企業の命題ですが、今、「働き方改革」が話題です。総じ
て「時短」「ゆとり」を持つという点がクローズアップされがちですが、私た
ちはその意味を履き違えてはいけません。むしろ、生産性の低い従来型をやめ
ること。見せ掛けの残業を減らすこと。考え方を変えて仕事のやり方を変える
ことが「働き方改革」の本質です。働き方を改革し、知恵と工夫で生産性を上
げて効率化を図る。それが結果として社員の生活の質を高め、守っていくこと
になります。質と収益を両立する中での「時短」、これを実行する企業が今後
発展することができます。

最近は、神戸製鋼、日産、スバル・・・・日本を代表すべき企業がいわば詐欺
行為を働き、そのような話題ばかりで、本当に悲しいことです。納期・収益と
いう大義名分の中で「ごまかし」をするのは恥ずかしく、これも日本の衰退を
もたらしてしまうような話です。私たちは、このようなニュースからも学ばな
ければなりません。単なる生産性合理化は絶対にダメです。知恵を使わずに目
先の「ごまかし」では先が見えません。品質を守ってこその合理化、そこに知
恵を発揮する意味があります。

大企業でも「ごまかし」が横行しています。むしろ中小企業である私たちは、
品質を地道に守り、信頼を獲得することです。そのためにも、本記事でも再三
申し上げていることですが、業務を簡素化し「標準化」「システム化」に着手
してください。我流と過去のやり方を見直しましょう。将来はここにかかって
いるといっても過言ではありません。全ての業務を見直して最適化、最新の業
務フローを構築し業務内容もそれに合わせて改めること、無駄を発見し徹底排
除すること。特に、やらなくて良い仕事、だらだら仕事、会議、ミス解決のた
めの仕事を排除することです。時間データをとり、それに基づきこれらの問題
を解決すれば、少なくとも30%の業務効率が改善されているという成果が出て
います。

本来「はたらく」とは、は・・・はやく、た・・・たのしく、ただしく、ら・
・・らくに、く・・・くにせず、です。現在を変えれば未来が見えてきます。
ぜひ、本当の意味で、目先の時短だけでない「働き方」改革に取り組み、成功
を掴み取ってください。