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● スタッフリレーコラム

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  健康快適な家づくり ~ハコから健康快適な暮らしの提案へ~

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  工務店応援通信の前号で、健康快適住宅プランナー制度についてお伝えしまし

た。このプランナー制度では、Ⅰ.温熱環境、Ⅱ.自然素材、Ⅲ.抗酸化、

Ⅳ.健康快適設計基準について習得していただきますが、特にこれからの家づ

くりにはこれらの要件を踏まえた「暮らしの提案」ができるようにすることが

とても大切になってきます。豊かな暮らしを実現するには、健康・快適な暮ら

しができる空間づくりが必要です。この暮らしに関することは、お客様へのヒ

アリングにて要望を聞き取り、それを設計に反映して提案していきますが、そ

もそもこれらに関係する設計上の考え方、知識がないとできません。貴社の設

計者は、しっかりとした知識をお持ちでしょうか?

 

この設計に関することは、①敷地環境調査、②ライフスタイルゾーニング、

③生活動線、④バリアフリー、⑤空間提案、⑥インテリア、⑦デザイン、⑧構

造、⑨設備、といった項目があります。

 

敷地環境調査とは、人の心理に影響を与える光と風、周辺環境との関係などを

しっかりと調査したうえでプランに反映させるための調査です。光の入り具合

は温熱環境や睡眠にまで影響してきます。風のあたり方は体温調節などの自律

神経の働きにも関係してきます。周辺環境は外からの視線、景観の活用など、

無神経なプランづくりだとストレスの原因にもなりかねません。

 

最近は、CADやソフトを用いて光のあたり方や風の通り方などをシュミレー

ションすることが容易になってきました。これらの結果をどうプランに反映さ

せるのかは設計者の腕の見せ所です。例えば陽の光があまり当たらない条件で

明るい空間を望まれているなら、吹き抜けをうまく使うとか、風の通り道を考

えると窓の大きさ、開き方、位置などをよく考えることがとても重要です。こ

れは建物の中の通り方まで考える必要があります。たまに「このように風は通

らないのでは?」といった提案がありますので、トータルで物事を考えられる

ようにしなければなりません。

 

この敷地環境調査をベースに敷地ゾーニングをおこない、これにお客様のライ

フスタイルに応じたライフスタイルゾーニングをおこないます。住宅設計は、

敷地全体を生活の場、屋内空間と屋外空間を同時に考えていくことです。そし

てライフスタイルに関係して、生活動線を良く考える必要があります。これは、

生活を詳細にイメージすることがとても必要になってきます。

 

そして空間提案です。空間として捉えるにあたり、それぞれの空間の基礎的な

知識が必要です。リビングとは? ダイニングとは? 吹き抜けの機能や各居

室・収納の考え方など知っておかなければならないことがたくさんあります。

また、インテリアも人の心理面に影響し、健康快適に係る重要な要因となりま

す。仕上げ材、色、照明なども適切な提案が望まれてきます。その他、バリア

フリーや、デザイン、構造、設備なども多くのことに対する基本的な考え方を

設計者が知っておくことで、暮らしの提案に結びついていきます。

 

このような健康・快適に関する設計上の要件について、集中的に学ぶ機会が

健康快適住宅プランナー講座です。次回は10/22~23に東京にて開催いたしま

す。詳細事項が決まりましたら、下記の一般社団法人住環境推進協議会HPに

てご案内いたしますので、一度見ておいてください。

https://kenko-kaiteki.com/

 

                      (文責:事務局 佐野郁夫)