二極化対策

◆「二極化」について、耳にする機会が多くなりました

 

人口減少による、所得構造の変化による、顧客の嗜好の変化による、そして消

費思考の変化による等、理由は色々あるものの、あらゆる業界で二極化が進ん

でいます。

これにどう対応するか、住宅業界は価格帯的には大きくは三通り考えられます。

さらにこだわりのある本格的なものを志向し、その価値を認めていただける顧

層に買っていただくのか、リーズナブルなものをさらに効率的に販売するのか。

 

事業規模によっては両面作戦でいくのか、このいずれかを徹底強化していくこと

になります。

 

 

 

 

◆販売型?ジックリ型?

 

 

前提として、ローコスト系と、本格注文住宅系とでは、ビジネスそのものが違

います。前者は価格とスピードが最優先です。販売型で資金計画→プラン→見

積もり→契約までの流れをきっちりつくることが重要です。

 

価格重視といえども、単に安いだけでは強い企業は沢山います。ただ安く、とい

う内容ではその多くが体力勝負となってしまいスケールメリットのある企業が優

位です。私たちはそれでは勝てません。

 

価格メリットの設定が重要で、各要素の中でも特に設計デザインに特徴を出す

ことが必要になります。

 

また、手間暇をかけすぎてはいけません。ITを積極的に活用し効率化を図るこ

とも大事です。

 

 

 

◆中高級路線に活気

 

一方、大手ハウスメーカーでは最近富裕層対策を重視しています。住宅産業塾

の会員企業様では、更に中高級価格帯層の顧客獲得を重視する動きも目立ち

す。この厳しい時代でも、所得の二極化はエリアを問わず進んでいます。

 

地域特性が十分であることが前提条件になりますが、工務店は中高級路線を

徹底した方が良いでしょう。ターゲット層に対し訴求力のあるものは何かを探求

し、商品力を磨き続けることです。

 

このとき、設計と施工力強化は絶対条件です。社員の対応力もより高度なものが

求められてくるでしょう。お客様の願望実現、不満解消、想いを引きだし、お客様

へのオンリーワンの提案をできるように、社員は人間力、そしてカウンセリング力

を磨かなければなりません。

 

 

 

 

◆「進化」「新化」「深化」

 

販売重視か中高級価格帯を狙っていくのか、どちらの道を重視するにせよ、そ

れにあったターゲットに見合った商品とそれを販売するビジネスシステム、そ

の実践にまでつなげていかねば成果が出ることはありません。

 

停滞は沈下を招きます。そのため、常に「しんか」が必要です。「しんか」には

「進化」「新化」そして「深化」と3種あります。新しいことに挑戦する事も大事で

すが、「深化」、別の言葉に言い換えれば磨き、深めることも求められています。

 

例えば、お客様への誠意と対応は改善されていますか?契約したら終わり。そ

れで紹介が来るわけありません。大手ハウスメーカーでも限りある新規名簿重

視からアフターによる紹介重視へと変化をみせています。

 

契約以後引渡しまで、そしてそれ以降どのようにフォローしていますか?

 

 

 

 

そこで、特にお願いしたいのが心の力です。誠意を持ってお客様に接している

でしょうか。集客には色々な手法が生まれているものの、本当に必要なお客様

に対し、心からのフォローが足りなければ元も子もありません。

 

新しい時代に対応しつつ知恵と工夫、そして変わらない部分、努力により共に

磨き、厳しい経営環境を乗り切っていただきたいと思います。