ベンチマーキングは実践して初めて意味がある

◆ある勉強会の懇親会の席にて

 

BMホスト企業の社長様が「私は皆さんから学んで実行しただけ。皆さんは実

行していますか?」と話されました。

住宅産業塾ではBM(ベンチマーキング)の実践を提唱し、本記事でも再三紹介

していますがBMの真髄は、まさにこの言葉に尽きると思います。

 

最近は日本全国でBM勉強会が行われるようになり、情報を取り入れる機会そ

のものは増えました。しかし、「参加して勉強になりました」で済まされてし

まうことが多くありませんか?もちろんそれではダメで、持ち帰り、具体的行

動に移すことまでやらなければ意味がありません。成功する企業としない企業

との違いはそこだけだといっても過言ではありません。

 

実践に移すためには素直な心で学ぶことです。素直でなければ本質は見えませ

ん。なぜそれが良いかを素直に聴き、何を学んだかを反芻し、取り入れること

です。勉強になったというのは何をするかを決めて実行してからです。聞いて

感動しても、感動の効果は一週間ほどでしょう。BMは素直に見て聴いて、学

び、実行する。そうすることで、学ばせていただいた企業にお返しをする。

それを繰り返すことで初めてレベルは上がります。

 

 

 

◆なぜBM手法の提唱をはじめたのか

 

それは時代の流れでもありました。大手ハウスメーカー在籍時、私はお客様の

涙を数多く見てきました。生命を担保にそれでも家を建て、そして裏切られる

姿を目の当たりにした経験から、そのような家づくりは絶対に許されない、と

いう信念が私の全ての根底にあります。

 

プロとして魂を込めてお客様の幸福の城を建てる企業が成長すべきであり、そ

れができるのは地域と共にあるビルダー工務店であるという考えから、ビルダ

ー・工務店の指導を始めました。企業規模は関係なく、そのような心を込めた

家づくりを実践している企業に成長していただかねばなりませんでしたが、一

社一社手取り足取り指導していくのでは時間がかかります。もともと、どの企

業でも得手不得手がありました。その得意な部分をお互いが学びあい高めあう

ことができれば有効なのではないか。それが成長に向けた一番の近道であると

確信し、今でいうBM手法を始めました。

だからこそビルダー・工務店の皆さまには、積極的にBMの実践に取り組み、

自社の発展に活かしていただきたいと思っています。

 

 

 

◆良い家づくりは社会への貢献でもある!

 

ビルダー工務店はもっとお客様と地域に密着し貢献すべきです。今、ビルダー

・工務店の時代が来ています。何十年たっても幸せな暮らしができる家づくり、

それを研究していますか?快適に過ごせることを確認していますか?熟慮をし

てどう設計するかを考え、そして、どれだけ魂を込めて家をつくっているか、

しっかり確認してほしいと思います。

 

そのために、設計・施工を高めることです。性能ではよほどのことがないと差

別化できません。暮らせて良かったといってもらうために、素直な心で学び、

実践し、地域で一番良い家をつくる、そのような企業を目指してください。

 

 

 


 

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