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  好評連載 お客様を呼ぶブランディング講座 ⑩

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   ブレずに継続する

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ブランドをどう“表現”し、どう“伝える”のか。前回、 “表現”において

大事なこととして、「ブランドコンセプトに合っている」ことを解説しました。

今回は、「ブレない」ことと「継続する」ことについての話です。

 

ブランドは一朝一夕で築かれるものでは基本的にありません。顧客や消費者の

心を動かした実績をたくさん積み上げた時、ブランドへの道が開けます。その

実績である感動体験が同じであればあるほど人々は共感しあい、それが共鳴し

伝播します。またその感動を受けた対象の印象が一定であればあるほど、ブラ

ンドとして認識しやすくなり定着へとつながります。それが、いわゆる“ブラ

ンドイメージ”です。要するに、「ブレない」ことがブランドイメージをつく

り上げ、ブランドの確立へとつながるのです。

 

ユニクロのPRには、常に新しいTVCMが制作され放映されています。私はその

CMを初めて見るにもかかわらず、ロゴテロップを見る前にそれがユニクロだと

わかることがあります。その理由は、色々バリエーションはあれど、常に映像

クオリティの高さが保たれ、どこか世界観が一定だからです。私たちは、あの

CMでユニクロらしさを感じ、そこに実際に感じた着心地や生地、縫製の良さを

重ね合わせ、品質・機能の高さをより認識しています。そして、それが繰り返

されることによって、ファストファッションでありながら、高品質・高機能と

いうブランドイメージが植え付けられているのです。これが毎回クオリティに

差がありトーンの違うCMならば、今ほどのブランドが築けたでしょうか。衣料

品という従来からある分野で地方の1ショップが十数年で国内を席巻し、その

後も世界的企業となり発展を続けている一因には、こうした巧みなブランド戦

略があるのです。

 

ブランドコンセプトは、“らしさ(未来の強み)”から導き出しましたが、

それを伝える場面でもユニクロのように“らしく伝える”ことが重要です。広

告や表示物をひと目で「〇〇工務店だ」と認識してもらうことが目的です。そ

の時々で訴える対象や流行が変わったり、季節が違ったり状況は様々ですが、

それらに臨機応変に対応しつつも常に“らしさ”を意識し、一定の範囲内で表

現しなければなりません。色、書体、配置、そしてメッセージに“これだけは

守る”といったルールづくりが必要でしょう。ブレずに一定の印象を積み上げ

ることがブランディングには重要なのです。

 

一方で、ブランドイメージは“一定の印象を積み上げる”ことにより形成され

ると考えれば、「継続する」ことも大切です。ブランディング活動をスタート

してなかなか結果が見えない時、つい軌道修正をしたくなります。時と場合に

よってはそれも必要なことはありますが、変えてしまっては積み重ねがまた一

からになります。しっかり考えて出したブランディングの方向性であれば、そ

こは我慢して、変えてしまうのではなく深めることを検討してください。

“継続は力なり”なのです。