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● 好評連載 お客様を呼ぶブランディング講座
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   6W2Hで計画する(後編)
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ブランディングを「6W2Hで計画する」の最後は、運用に関係する要素(When・Where・Who・How much)について解説します。

●When(いつ)
ブランディングには終わりはなく、活動は延々と続くものですが、タイムスケジュールが要らないわけではありません。一般的なプロジェクトのスケジュール同様に、活動をいつ開始するのか、何をいつまでにやり、いつその成果を測るのかといったWhenを決めておく必要があります。また、活動がそのスケジュール通りに行われているかどうかを管理する必要もあります。

●Where(どこで)
Whereはブランディングの地域戦略です。ブランドの浸透は商圏すべてを対象として一気に進めるのが理想ですが、経営資源に限りがある中で“広く浅く”になっては効果が望めません。ですから、「これまでのお客様がたくさん住む」や、「ターゲットとする客層が多い」などの基準で優先順位の高いエリアを決め、まずはそこに集中してブランド浸透を図ることをおすすめします。「ブランドが強い地域をまずつくり、そこから広める」という、一点突破の戦略がポイントです。

●Who(だれが)
コーポレートブランディング場合、総括責任者は経営のトップ(多くは社長)でなくてはならず、その他のブランディングも基本的には経営トップが行うのが望ましいでしょう。但し、実務部隊のリーダーが企業のトップである必要はありません。実務責任者を決めるとともに、計画内容と照らし合わせてタスクごとに担当を決めて責任を与え、ブランディングを包括的に推進する体制を整えます。

●How much(いくらで)
地域の工務店・ビルダーにおいては、費用のかからない口コミやSNSが有効な手段ですから大いに活用すべきです。ただ、とは言えその影響の範囲は限定的なので、ブランディングを強力に推し進めるなら何かしらの広告宣伝は必要となります。また、企業ロゴやコーポレートカラーを見直すVI(ビジュアル・アイデンティティ)を伴うブランディングの場合は、ロゴマーク等の作成や看板・ツール類への展開にも費用がかかります。ブランディングの計画では、必要な費用項目を抽出し、その金額をはじき出します。実際に使える金額との間にギャップがある場合は調整し、予算として確定させます。

3回に渡りブランディングの6W2Hを説明しました。これがブランディング計画
の全体像であり、各要素の内容を決めれば、一つの計画書としてまとまります。
大事なのは、この全体像を理解した上で、まずはきちんと計画するということ
です。思いつきで部分的に行っても、効果は一過性に終わります。

次回からは、実践にあたり、ポイントとなる部分をさらに詳しく解説していき
ます。