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伸びる企業にとっては大チャンスの時

1伸びる企業、伸びない企業の特徴

長年、企業コンサルタントと住宅産業塾の運営をしていると、伸びる企業と伸びない企業がすぐわかる。

 

伸びる企業は、手伝っていると、毎回進化しているのがわかり、アドバイスをしてもすぐ実行してくれて成果につながっている。愉しくて楽である。

 

一方伸びない企業は大変神経を使う。なぜ気づかないのだろう?なぜわからないのだろう?なぜ実行しないのだろうか?と紋々とすることが多い。そのため依頼企業の方々以上ともいえるくらい考え、工夫をしていかねば役立ちができない。神経を使うが、逆の意味で大変楽しいものである。

工夫努力を重ねていくと、ある時変わる瞬間がわかる。この瞬間がたまらない。ヤッターという喜びである。その後もジグザクはあるが、基本的には前進行程に入るので、企業としても成長がはっきりと見えてくるようになる。コンサルタントとして最もやり甲斐があるときである。

 

だけどいつもうまくいくとは限らない。どうしても人材不足で、アドバイスなどを真剣にとらえられない状況がある。本当に堂々巡りみたいな時が続くときもある。この時はどうしたらうまくいくのかをもっと真剣に考え工夫を重ねていき、本気で伝えていくようにしている。しつこくである。「あきらめるな、腐るな、負けるな」を続けていくと、時間がかかっても、必ず前進していくようになる。

 

コンサルタント先が成長できるようにお手伝いをさせていただくのだが、これは本当に真剣勝負である。生半可な知識や経験で行うものではない。各社の歴史・社風・資源・環境などが全く違うものであり、一律にはアドバイスができない。コンサルタントとコンサルタントセールスとは別物である。

 

今そのなかで困っていることがある。人材不足の時、方法は分かるのだが、それを実行できる人材がいないという現実の問題である。社長は前向きであることは当然としても、戦略づくりや、決めた戦略を実行するリーダー・マネージャがいないため、チームが動かないという厳しい現実がある。当方がリーダー・マネージャの人材を確保しその人材を派遣できれば、ずっと確実に早く前進軌道に乗せられるのだがと切歯扼腕することがある。

 

もうお分かりだろうと思う。伸びる企業には人財がいるということである。知識や経験がなくあまりうまく機能していないリーダーやマネージャでも、人格的に良く前向きの姿勢の者であれば、指導アドバイスで極端に変わるものである。先ほどの企業が変わる瞬間というのは、このリーダー・マネージャが変わる瞬間でもあるのである。内容的なことはいくらでもアドバイスができるが、それを理解し実行する人財がいてこそなのである。この人財が育てば素晴らしいノウハウなどのBM実践も簡単にできるようになる。

 

伸びている企業は人財がいる!まさしく「企業は人なり」である。経営者はこの人財も求め、また育てることに全エネルギーを使ってほしい。人財がいれば大概のことはできる。

 

経営者とこの良き人財の夢と意識の共有を図り、挑戦するチームづくりを行うことである。①合目的・合目標に、②考え抜かれた明確な戦略・戦術づくり、③言い訳なしの徹底したその実践、④そのうえでの改善・改革の継続のチームが出来上がれば、必ず成果につながる。経営者、働く人々、関係する人達の合目的・合目標のチームができれば、良き社風の伸びる企業へ間違いなしである。


 

2変化対応の戦略と「らしさ企業へ」徹底

 

100年以上の長期名門企業などを見ていると実に変化対応の素晴しい企業であることがわかる。単に良い企業でもなく、強い企業でもない。時代の変化にきちんと対応してきた変化対応の強い企業である。ここからも学びたい。

 

伸びる企業は発展するという決意にあふれ、商品や対応・サービスでの「らしさ」の徹底追及をする。絞り込んでの戦略に特化して、市場と顧客に歓迎され、成果として発展できるまで頑張り通すという姿勢がある。このエネルギーがすごい。徹底したプラス志向である。

 

伸びない企業はこの逆で、言い訳が多く他責が充満している。社風、企業風土を変える必要がある。制度・物理的・意識(心)の壁を壊さなければならない。伸びる企業はとにかく成長発展の取り組みに超積極的であり、進化・深化・新化へ変えていく勇気がある。

・CS実現→CD・CT実現~CXで発展

・BM手法確立で発展

・業務フローと業務内容(ビジネスシステム)の確立で発展

・人材育成~マネジメント力の強化で発展

・IT・DX化~業務の標準化と効率化と新システム構築で発展。

・ZEHや省エネの技術・商品開発で発展

・企画型住宅開発で市場創造発展など。

 

 

今、脱炭素、コロナ、自然災害、ウッドショック、WEB・DX、高い健康衛生機能、新しい暮らしへの変化など大激変期である。まさに変化対応の時である。きちんと対峙し、変化対応を成功させ勝ち残っていっていただきたい。

(2021年8月 25日 日本住宅新聞掲載)