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品質を上げればコストは下がり、CSが向上する

1問題に気づくこと

未熟・不誠実・不注意でのミス・ロス・ムダは地場工務店にとっては、

①お客様の満足、

②会社・商品の信頼、

③得るべき利益のすべてをパー(失墜)にする致命傷になりかねない。

 

現場で信用と利益・金を捨てている現実をよく理解する必要がある。

ミス・ロス・ムダでコストもかかり、利益を低下させている。

実行予算と実績の差が3~5%UPのギャップが出る工務店がざらにある。

現場で苦労して、お客様に喜んでもらえず、利益も低下するのであれば報われない。

どんなことがあってもミス・ロス・ムダを排除しなければならない。

 

2問題解決手法を動かすこと

ミス・ロス・ムダはきちんとデータで把握して問題解決していく必要がある。営業のミスか、設計のミスか、積算のミスか、施工のミスかなどきちんと事実の把握をし、データ化し、分析し解決策を講じなければならない。

問題(悪さの事実・現象)がわかっていて何も手を打たないのは自殺行為であり、もったいないことである。必ずミス・ロス・ムダの問題を解決する必要がある。

それには問題に気づくということが大切で、気づかなければ何も起こらない。

気づき、そしてなぜ問題が発生したかを突き詰めて考えるべきである。必ず3~5回のwhy(なぜ、どうして、なぜ)をやり、本当の根っこの原因(真因・問題点)を探らねばならない。

問題点が見えると解決策が見える。解決策を決定し、具体的実施計画を組み実行に移す。

それを繰り返していけば必ず成功へ転換することができる。

 

逆に良い場合でも同じ手法で突き詰めていけば成功の鍵が見え、さらに成功の行動法則が見える。

ミス・ロス・ムダを放置すれば悪の循環にはまり衰退していくが、3~5回のwhyによる問題解決手法をやれば善の循環になることができる。

問題解決手法のやり方で常に仕事や作業の品質を上げていくことが大切である。

 

成果を出す基本は、気づきに始まり、次に実行する、そして行動し続けること、そうすることによって成果を出せるのである。実践・行動力がすべてを決める。

 

3品質を上げれば強くなる

営業の品質(ベストセールスシステムの遵守、行動の徹底)を上げれば受注や受注確率が向上する。

設計の品質(ヒヤリング・プレゼン力強化、完成した図面と完全な仕様書による引継ぎ)を上げれば受注促進に役立ち良品質施工ができる。施工の品質(良品質施工、魅せる現場、心を込めた報連相打)を上げれば工事三大条件が遵守できCS・CDが実現でき違算も発生しない。

経営・管理の品質(PDCAのマネージの強化、データベースによる経営)を上げれば先行管理ができ、ミス・ロス・ムダを排除することができ経営効率が向上する。そして全部門と人のコミュニケーションや報連相打の品質を上げればミス・ロス・ムダが排除できる。

「仕事・作業の品質を上げれば受注は増大し、生産性が向上し、コストは下がり、利益は向上し、CSが向上し、経営力が向上する」のである。

 

「仕事や作業の品質と報連相打の品質が悪ければ、逆に受注はダウンし、生産性は下がり、コストは上がり、利益は減少し、CSが低下し、経営力が低下してしまう」。そのため仕事や作業の品質を向上させる絶対努力を払うべきである。CS・CDを実現したければ専業実務の品質と、引継を含めた関係者とのコミュニケーションの品質を上げるしかない。

 

品質を上げることはお金を使うことではない。心と思いを込めて本気で実行し徹底することである。実践実務力向上による仕事の品質向上が、企業と社員一人当たりの生産性を向上させる。

 

標準化とシステム化が大切

ミス・ロス・ムダを排除し、仕事の品質を上げる方法として、標準化とシステム化がある。

経験と実力がなければできない仕事の仕組みでは組織パワーは結集できない。


①業務フロー・業務内容・業務帳票の明確化、

②その行動原則化とマニュアル作成、

③それに基づく徹底した教育と訓練、

④実践と結果の評価によるフィ―ドバックを行うことである。

 

それらの継続実践を徹底することである。

(2020年5月 25日 日本住宅新聞掲載)