新春セミナー2020開催報告

2020124日(金)に、「住宅産業塾 新春セミナー2020」を東京・田町にて開催いたしました。当日は170名を超える方々に参加いただき、盛大に開催することができました。このセミナーの様子をダイジェストで報告いたします。

 

第Ⅰ部:魅せる現場コンテスト2019結果発表・表彰式

 

毎年恒例の「魅せる現場コンテスト」も、今回で7回目となりました。毎年レベルが上がり続けており、今年も審査に難航を極めました。そのような中で総合最優秀賞に輝いたのは、株式会社小河原建設様(東京都中野区)、円建創株式会社様(島根県松江市)、ou2株式会社様(東京都江東区)の3社でした。

 

■株式会社小河原建設様(東京都中野区)

環境整備で社内美化を徹底的にしておられる企業です。東京都内の敷地の狭いハンディに対し工夫を重ねることで「魅せる現場」を実現されるとともに、現場の評判やお施主様からの紹介が非常に多く、その点も高評価となりました。

 

 

■円建創株式会社(島根県松江市)

現場きれい、安全、魅せるといった項目に対し、ほぼパーフェクトに近い評価を得るとともに、これまでは少なかった現場からの評判や紹介などが増えてきており、今回は総合最優秀賞となりました。

 

 

■ou2株式会社(東京都江東区)

昨年の奨励賞から一気にトップへ輝いた企業です。同じく都内の敷地の狭いハンディに対し、若手社員を中心に多くの工夫をおこなっております。また現場の評判や紹介も出てきたようです。

 

その他受賞企業につきまして、詳しくはこちらに掲載しております


 

第Ⅱ部:破壊的イノベーションの実現を!~未来の勝利者に、変わるのは今だ!~

 

2019年新しい年「令和」を迎え、2020年は東京オリンピックが開催され世界中の耳目が日本に集まり盛り上がりを見せる一方、日本経済は減速傾向で、高齢化・人材不足の波を受け、工務店・ビルダーも大きな変革を迫られています。現状維持のまま乗り切ることは極めて難しくなりますが、方針を明確にし、分析し、徹底実践し、いち早く「どの道」をたどるのかを決め変革した企業はさらに発展することができる時代でもあります。

 

このような時代背景のもと、今年は「破壊的イノベーションの実現を!~未来の勝利者に、変わるのは今だ!~」という年間テーマを設けました。新春セミナーではこのテーマに基づき、ゲスト講演やディスカッションを行いました。

 

 

 

まず長井塾長基調講演では、この「破壊的イノベーション」とは何かを伝えていきました。今までの常識や当たり前といった考え方は捨て、新たな価値観や経営などを創造していく時代です。現場きれいもある意味「イノベーション」になります。そして大手の真似をするのではなく、地域密着工務店ならではの戦略を組み、実行することがとても大切です。何よりも実行しないと意味がありません。今年は必ず実行に移してください。


 

先進ビルダーのイノベーション発表

先進ビルダー4名様のイノベーション発表です。

 

ゲスト講演① 異分野進出

株式会社 波多野工務店

代表取締役 波多野 智章 様

 

テーマ:「百年工務店ゆえにこだわる新しい時代への対応」

 

創業100年を超え、地元江南市を中心に住宅から公共建築、店舗など幅広く事業を展開してきました。今後も各時代に求められるお客様のニーズに合わせた柔軟なスタイルで、地元の皆様から愛される工務店を目指しています。会社は、公共建築や一般建築の「建築事業部」と住宅を手掛ける「住宅事業部」を中心に、「愛住まいる事業」や「中古住宅・マンション専門店」事業を立ち上げました。

 

住宅事業部では住宅以外に、手ぶらでDIY・現場からの廃材利用した「DIY PARK」を立ち上げ、各種イベントをおこないながら地域貢献や見込み客発見につながるような活動を進めています。また、木造による福祉施設の推進、老人ホーム・介護施設紹介センターの「愛住まいる」事業、中古住宅・マンションとリノベーションの専門店「ウチカエル」事業などを通じて、空き家問題や高齢者問題などの社会問題に対するサービスを展開し、地域貢献を目指しております。今年あたりから、これらの成果が出てくるだろうということでした。


ゲスト講演② 事業拡大・顧客創造

株式会社 丸尾建築 

代表取締役 丸尾 幸司 様

 

テーマ:「継続から発展へ、承継から次世代への成長戦略」

 

事業承継をする前から、差別化が出来ていな、価格競争に巻き込まれ利益が出ない、決めたことをやり切れていないなどの課題を感じており、「これでは何が楽しいかわからない」と疑問を感じていました。しかし、会長の意見を尊重する、地元に根差す、正直な商売、OBを大切にするなどは承継後も大事に守ってきたそうです。承継後は、会社内部を筋肉質にし、差別化を明確にして強化していきました。その中身として、棟単価アップや現場きれい活動の強化、設計申し込み制度や業者会の発足、また会社の理念・社訓・社是を制定し、何よりもおもてなしはどこにも負けないように築いてきました。

 

今後は姫路支店をオープンにすることで、商圏が倍になります。また棟単価がアップした故に取りこぼしてきた層の受注対策をおこない、今後3年以内に100棟体制を目指していきますということでした。


ゲスト講演③ 働き方改革・業務改革

株式会社 新和建築

常務取締役 藤井 徹 様

 

テーマ:「時代を一早く捉え乗り切るトップビルダー戦略」

 

今は、労働力が高コストになる時代です。良き人材が働き続けてくれるには、「仕事にやりがいがある」、「働くことに苦痛がない」、「会社を信頼できる」「適正な報酬である」といったことを大事にしていく必要があります。そのためには生産性アップが必要ですが、この対策としては労働時間の削減と粗利益高の増大があります。労働時間の削減としては、本当に必要か?、アウトソーシング、セルフ化、ITなど多様な媒体を活用していくことです。粗利益高の増大では、価格を35%アップするという方法もあります。その分効果のある広告宣伝には費用を上乗せ、お客様にはお客様にとってのBenefitを明確にして伝えることを充実させていくことなどの対策にもつなげていきます。

また、工事監督の体制改革で役割を分けてあげる、ITをうまく使っていく、女性の現場での活躍の場をつくっていくといったことも今後おこなっていきます。また社員の福利厚生の充実や体験型モデル住宅なども進めていくそうです。そして住宅以外への事業展開も進めており、飲食やコインランドリー、リハビリ施設など人と暮らしに関するビジネスを創出していきます。そしてこれからは、時流に乗れる人材を育成し、仕組みを構築、そしてそのシステムを利用して、普段の仕事は楽になるように目指していきますということでした。

 

 


ゲスト講演④ 組織力向上

株式会社 HORI建築

代表取締役 堀 昌彦 様

 

テーマ:「地域に必要とされる強い企業へ、飽くなき挑戦」

 

経営の目的は、「みんなが喜ぶ社会づくり」として、地域環境、地域社会、そして社員と共に幸せになれる経営・人を大切にした経営を目指しています。組織力とは、人を生かす経営です。これには社員・協力業者からお客様・地域社会まで共感する人たちの集団であることです。社員は仕事の見える化を進めながら、マネージャー教育にも力を入れるようになりました。また女性の活躍できる場を増やし働き易い環境を整えたり、職人の人間力向上にも取り組んでいます。これには魅せる現場づくりを通じて、工夫をする、チーム力を高めるといったことにも取り組んでいます。

 

今年の第一目標は、ES経営をと通して社員満足度をUPさせることです。そのためにはデザイナー住宅部門や施設建設などの新規事業や、社員評価制度の見直しをおこないながら更なる働きやすくやりがいのある会社を目指していきますということでした。


 

パネルディスカッション

 

後半のパネルディスカッションでは、株式会社まちなみの小板橋氏も加え、発表内容の補足や顧客創造のことなどについて話をしていただきました。質疑応答では、スピードの尺度をどう考えるかといった質問もあり、「期限を決める」、「PJチームで対応する」、「幹部会で協議してから進める」、「まずは書いて整理して順番を決めておこなうなど」の意見が出されました。今までは「すぐやる・やらせる」といったスタンスが多かったですが、人を動かすには命令だけでは長続きしません。相手が腑に落ちるような伝え方も、これからの時代にはより必要になってくるのでしょう。短い時間でしたが、各社なりの考え方がよくわかったと思います。

 

 

イノベーションとは、ある意味決意を決めてやり切ることにつながります。目的・目標を明確にして、仕事を創造して新しい時代を切り開いてください。徹底的にしつこく実践し、壁を乗り越えていく意思を共有し、盛況の中終了いたしました。

 


 

新年会の様子

セミナーのあとは新年会。総勢90名ほどが参加し、セミナー時には聞けなかったことや他社との情報交換などが活発におこなわれました! 

良い交流ができたでしょうか?

 


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