感情価値と暗さの関係

暗さを売る!②

ひかりの付加価値形成

 

 一般的に求められるひかりとは明るさを確保すること。家電量販などで売っているシーリング照明とブラケット照明やペンダント照明といった意匠を伴い明るさを取る照明に二分されるが、いずれも明るさを取る道具として扱われることに変わりはない。道具としての照明器具は「物」の価値として捉えられ価格はある意味グローバル。意匠器具の場合、この物が出来上がるまでのストーリーや歴史が伴うことでデザイナー器具は価値が付加する。これが一般的な意匠照明器具の概念。

 

「暗さから見えてる感情価値」

 

では、明るさを確保するという固定概念を変えるということはどういうことなのか?

 

単純に考えると明るくない環境を作ること。そこから見えてくる様々な景色を想像し創り上げていくことが人の気持ちを動かすことに繋がるという考え方。

 

 

例えば、夜景を見ながら食事を楽しむディナータイム。ここには局所的なサービスが伴う非日常空間がある。ここでしか体感できない価値を提供することで人は感情が動く

 

夜景という特殊な空間を演出するために様々な照明手法で設計する。グレア、調光、色温度、配光角度、配灯など。夜景にフォーカスするだけでもこれだけの項目を考え優先順位を付ける。夜景だけではなく、料理にフォーカスしたり、演出にフォーカスしたりと様々な角度から光を設計する。

確実に言えることは、「決して明るくはない」ということ。人の感情を動かすひかりは適度な暗さが必要だ!ということ。

 

「リビングダイニングの快適性」

 

この適度な暗さと同時に考えなければならないのが、適度な「明るさ感」。空間全体が暗くても、何かにフォーカスして「明るさ感」を創り出すことで良い雰囲気を作り出すことが出来る。

 

この良い雰囲気を作るポイントが素材選びになる。料理も、壁材も、観葉植物も、絵画も、趣味のコレクションも全部素材。これに光を当てこむことでフォーカスした素材が生きてくる。これがプライベートな空間の心地よさを助長させる。

 

ではどんな光が適しているか。

 

それは・・・